4年度道教育功績者表彰 鎌田氏ら10人に栄誉 本道教育の充実発展へ貢献
(道・道教委 2022-12-02付)

 道教委は4年度教育功績者の被表彰者を決定した。岩見沢農業高校の鎌田一宏校長をはじめ、本道の教育の充実・発展に寄与した教育職員10人が受賞の栄に浴した。

 表彰は昭和28年度から実施。本道の教育振興に功績のある教育職員、その他の教育関係者を表彰してその功績に報い、教育の振興に寄与することが目的。今回で68回目を迎え受賞者の総数は657人となった。

 表彰式は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、現時点で未定としている。

 受賞者はつぎのとおり。=敬称略=

▼鎌田一宏(岩見沢農業高校長)

 関係機関、企業、自治体等と連携して栽培技術や経営力の向上、農業後継者や農業関連産業人の育成に尽力し、本道農業技術指導の礎を築いた。GAP(農業生産工程管理)やスマート農業や気候変動に対応できる栽培方法など未来を見据えたグローバルな教育実践を切り拓き国際的視野の必要性を浸透させた。

▼上林宏文(真駒内養護学校長)

 肢体不自由教育の分野で障がいの重度化や多様化する現状に応じた実践研究を行い成果を指導に生かすとともに広く発信。教育行政においては医療的ケア体制の整備や教育課程の充実に向けた特別支援教育に関する基本方針の策定や学校経営課題への指導に尽力した。七飯養護学校では地域のセンター的機能充実へ地域連携部を設立するなど校内体制の充実や授業改善に取り組んだ。

▼辻山しのぶ(余市養護学校長)

 個々の障がいの状態に応じた教育の実践や教員の指導力向上に尽力し、全道に及ぶ視覚支援学校のネットワーク体制の礎を構築した。各種文献の共著・編著によって高次脳機能障がいのある生徒に必要な教育課程の在り方を掲載するなど道内外に取組事例を発信した。

▼池田克己(知内町知内小校長)

 体験的な学習を中心とした生活科や総合的な学習の時間などの研究・カリキュラムの見直しを進め、実践を道内外の研究会で発信。歴任校では地域連携や小・中学校間の連携を進め、外国語の乗り入れ授業や長期休業中のサポート学習などを実施した。

▼玉置英樹(厚沢部町厚沢部中校長)

 地域の特色を生かした体験学習の実践やボランティア活動を通して地域との連携を強化。社会に開かれた学校づくりに尽力し、郷土への愛情や誇りを育む教育を充実させた。江差町立江差中学校ではICTを活用した近隣町村校との遠隔授業を実施し、成果を広く発信した。

▼藤田智哉(留萌市留萌中校長)

 道徳の教科化に当たり「考え、議論する道徳」の実現を目指した研究を推進。教育活動全体のつながりを意識した取組を行い、研究成果の普及に努めた。また、中1ギャップの未然防止を図る小中連携による生徒指導体制の構築に尽力した。

▼片桐聡(北見市三輪小校長)

 生活、総合的な学習の時間の充実の研究・実践に力を注ぎ、教頭の資質・能力向上へ学校経営のストラテジー講座の講師・運営を務める一方、各種研修会の講師や管内公開研究会の開催など、教員の授業力向上等に大きく貢献した。

▼吉田昌広(網走市網走小校長)

 国語、生活、道徳、総合的な学習の時間の授業実践の成果を発信。歴任校では「おやじの会」などの組織創立やコミュニティ・スクール組織の発足など地域に開かれた教育活動の展開に尽力した。北見市教委主幹として小学校社会科副読本の編集や学習指導要領の解説・実践書を作成し、小1プロブレムの解消に努めた。

▼藤崎禎人(帯広市帯広第二中校長)

 音楽を愛好する児童生徒の育成に努め、地域と連携した学校づくりを積極的に推進。着任した小学校では中学校における生徒指導のノウハウを生かした組織的な体制づくりを進めた。また、いじめ・不登校・非行等の対策委員会の委員長として関係機関と連携した活動を展開した。

▼本川敬一(釧路市幣舞中校長)

 釧路市教委でフルブライトメモリアル基金によるマスターティーチャープログラムの日米教育委員を務め、両国児童間の遠隔交流の基盤を構築。釧路市立阿寒湖小学校では義務教育学校開校に向けた教育課程の編成に尽力し、小中連携の取組を広く発信した。

(道・道教委 2022-12-02付)

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