第4期道自殺対策行動計画素案 子や若者の対策課題に いじめ、長期休業明け対策等
(道・道教委 2022-12-05付)

 道は、5~9年度までの5年間を計画期間とする「第4期北海道自殺対策行動計画」素案をまとめた。3年に20歳未満の自殺者数が過去最多となったことなどを踏まえ、子どもや若者の自殺対策を課題として掲げ、いじめを苦にした子どもの自殺予防や、長期休業明けの自殺急増に備えた対策、性的マイノリティーへの理解を含めた教職員の資質向上に係る取組の推進などを盛り込んでいる。きょう5日からパブリックコメントの募集を開始する。

 全国で2年に小・中・高校生の自殺者数が過去最多を記録したことや、本道でも3年に20歳未満の自殺者数が過去最多となったこと、15~29歳の死因の6割以上を自殺が占めていることなどを踏まえ「子どもや若者の自殺対策」を課題に掲げた。女性の自殺対策や、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた児童生徒等への対策なども課題とした。

 当面の具体的施策は、第3期計画で掲げた11の柱に「女性の自殺対策」を加えた12の柱立てとし、子どもやコロナ対策については多くの柱に施策を盛り込んだ。

 うち「子ども・若者の自殺対策」の柱では①いじめを苦にした子どもの自殺の予防②児童・生徒・学生への支援の充実③SOSの出し方に関する教育等の推進④子どもへの支援の充実⑤若者への支援の充実―の5項目を掲げた。

 ①では、児童生徒の心の危機への対応力を向上させる教職員研修、いじめ問題等への対応などに関する教職員向け指導資料の活用促進、電話・SNS等による相談の実施および周知、スクールカウンセラーの活用の促進などを挙げた。

 ②では、児童生徒の自殺が長期休業明けに急増する傾向を踏まえ、長期休業前から期間中、期間明けにかけて、小・中・高校等における早期発見・見守り等の取組を推進するほか、悩みを抱えた児童生徒への対応方法等についての啓発活動、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーと教員が連携を強化できる体制の整備、学生も対象とした心の健康相談、大学・専修学校等における「自殺予防ゲートキーパー研修」の実施などを挙げた。

 ③では、命を大切にする指導の充実や、困難・ストレスに直面したときの対処方法を身に付けるための教育の推進、性的マイノリティーへの理解を含めた教職員の資質向上に係る取組の推進などを掲げた。

 ④では、子どもを対象とする相談や、心の健康・各種生活問題に係る相談の実施および周知など、⑤では、SNSを活用したこころの健康相談および関係機関との連携などを挙げている。

 他の柱でも子どもを対象とした施策を掲げており「民間団体・関係団体による児童生徒の自殺予防に資する取組の促進」「1人1台端末を活用し、教員やスクールカウンセラーによるオンラインのカウンセリングなど、個に応じた教育相談機会の充実」などを挙げている。

 きょう5日から5年1月4日までパブリックコメントを募集。2月の道議会を経て、3月に成案化する予定。

(道・道教委 2022-12-05付)

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