道教委 世界遺産子どもサミット 縄文遺跡の魅力世界に 4道県の子が学習成果発表(道・道教委 2022-11-29付)
道教委は26日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産がある4道県の小中学生をオンラインでつなぐ「世界遺産子どもサミット」を初開催した。73人が参加し、それぞれの学習や活動の成果を交流。「世界遺産を未来に受け継ぐため、縄文遺跡をこれからも守り続けます」など子どもたちの決意をまとめた「共同宣言」を力強く読み上げた。
3年7月に世界遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群について相互の活動に興味を広げ、より一層の遺跡保護や活用の取組を推進するもの。青森・秋田・岩手県教委など11の教委等との共催で実現した。
本道からは、函館市立臼尻中学校、千歳市立千歳第二小学校と洞爺湖町内の小学6年生が参加。道外からは青森市立三内中学校、北秋田市伊勢堂岱遺跡ジュニアボランティアガイド、一戸町御所野愛護少年団の子どもたちが参加した。
はじめに倉本博史教育長があいさつ。「北海道・北東北の縄文遺跡群は、人類全体にとって価値があり、引き継いでいくべき世界の宝」と述べ、貴重な遺産を守り引き継いでもらいたいと願いサミットを開催したことを説明。交流による一層の取組充実を期待した。
続いて、筑波大学芸術系教授の黒田乃生氏が「地域と世界をつなぐ世界遺産学習」と題し講演。世界遺産条約で教育プログラムの推進が定められていること、世界には1000件以上の世界遺産があることなどを説明し「世界遺産学習では、遺産の地理や歴史を知ること、現地での体験を通し過去と現在のつながりを実感すること、マップを作ったり観光案内をしたりし誰かに伝えることが大切。最終的には、どうやって遺産を保護し貢献できるかと、自分たちの意見を伝えることが目標」と述べた。
また、世界遺産学習の様々な事例を紹介し「世界遺産を自分たちが世界に広め、伝えていけることに気付いてほしい」と期待した。
このあと子どもたちがそれぞれの活動を発表。遺跡の見学や埋蔵文化財センター等での学習を中心に、勾玉作り、土器作り、土器の発掘、周堤墓造り、弓矢体験、植物から繊維を取り漁網を編み込んでの地引網体験、修学旅行先でのPR活動、遺跡での観光ガイド、調査結果を発表するシンポジウムなど様々なことに取り組んできたことを紹介した。
「勾玉は何でできている?」「縄文人の平均身長は?」などクイズを効果的に盛り込み「周堤墓で一番大きいのは直径83㍍、深さ5㍍もある」「石をいちから削りピカピカにして道具にする技術力がすごい」「貝塚には北海道にはない材料があり、海を渡って行き来していたことが分かる」「マグロの骨がたくさんあり、大きなマグロを捕まえていたことにびっくり」「遺跡は時代によって違うけど、子どもや死者への思いなどに共通点があった」と学んだ知識を紹介。
また、世界遺産の学習を行ってきた感想として「何千年も前のものとつながれるのはすごい」「当時の人のすごさを実感した」「土偶の高い精神性や芸術性など縄文人に興味を引かれた」「縄文人の生活はSDGsに通じる。自然を生かし、争いがなく共に支え合う持続可能な社会は、縄文人を手本にすればいい」「素晴らしい遺産のあるふるさとを誇りに思う」「これからも遺産を大切にし、世界に伝えていきたい」などと話した。
最後に「世界遺産を未来に受け継ぐため、縄文遺跡をこれからも守り続けます」「遺跡の価値を多くの人に伝え、仲間と協力して受け継ぎます」などとした共同宣言を元気いっぱいに読み上げた。
倉本教育長は「皆さんの発表を聞き、ぜひ遺跡に足を運びたくなった。体験を通して過去と現在をつなげていた。今後も多くの人に素晴らしさを伝えてほしい」と話した。
(道・道教委 2022-11-29付)
その他の記事( 道・道教委)
高校づくり指針意見を聞く会〈渡島〉 集中取組期間期限撤廃望む声 「圏域」範囲に関する質問も
【函館発】道教委は11月29日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見を聞く会(渡島管内)をオンライン開催した=写真=。管内の教育関係者約60人が参加。意見交換では、地域...(2022-12-02) 全て読む
道いじめ防止基本方針改定素案 早期の組織対応徹底へ 重大事態調査実施を支援
道教委は道いじめ防止基本方針改定素案をまとめた。早期からの組織的対応の徹底や市町村教委との連携強化などいじめ防止の対応を追記。調査マニュアルや公表に関するガイドラインの整備といった重大事態...(2022-12-01) 全て読む
高校づくり指針意見を聞く会〈檜山〉 定員見直し定数改善を 特例校の集中取組期間に関心
【函館発】道教委は11月22日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見を聞く会(檜山管内)をオンライン開催した。管内の教育関係者ら28人が参加。意見交換では、地域連携特例...(2022-12-01) 全て読む
優れた高校等の取組に道教委 「地学協働アワード」創設 一層の取組推進と活性化へ
道教委は、優れた地学協働活動に取り組んだ高校等を表彰する「北海道地学協働アワード2022」を実施することを決定した。自薦・他薦に基づき各校が提出した資料を審査し、グランプリ、準グランプリ、...(2022-12-01) 全て読む
部活動地域移行へ道教委 庁内に推進本部を設置 推進計画素案 近く意見公募
道教委は北海道部活動の地域移行に関する推進計画(仮称)素案をまとめ、28日の道議会文教委員会で報告した。本道における部活動改革の方向性を示すもので、計画期間は5~7年度の3年間。市町村を支...(2022-11-30) 全て読む
産休等代替教員4月配置へ 道教委 活用希望を調査 国の配分踏まえ加配措置
文部科学省は来年度から、小・中学校における産休・育休の代替教員を年度当初から配置できるよう運用の見直しを進めている。これを受けて道教委は、前倒し期間における加配の希望状況を取りまとめるため...(2022-11-28) 全て読む
北海道の教員育成指標 2月改訂へ検討着手 校種・職域別に再整理へ
道教委が設置する北海道教員育成協議会は「北海道における教員育成指標」の改訂に向けた検討を開始した。国の指針の改正を踏まえ、道内の学校や教育関係機関が目指すべき目標や教員の理想像を一層共有す...(2022-11-28) 全て読む
高校づくり指針意見交換会〈留萌〉 IT等の人材育成を 再生可能エネ、高大連携等
【留萌発】道教委は15日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見交換会(留萌管内)をオンライン開催した=写真=。道教委担当者や管内教育関係者ら約60人が参加。意見交換では...(2022-11-28) 全て読む
道フロンティアキッズ成果発表会 地域の未来切り拓く子に SDGsの視点で地域探究
道は24日、オンラインで4年度「北海道フロンティアキッズ育成事業」成果発表会を開いた。浦河町立浦河小学校など6校がSDGsの視点から、それぞれの地域の良さや問題点について調べ、地域を残して...(2022-11-28) 全て読む
ゼロカーボン北海道普及促進へ 高校生フォーラム開催 道 補正予算案に新規事業
道は、29日開会の4定道議会に総額118億5595万円の補正予算案を提案する。子ども関連では、新規に4000万円を計上した「ゼロカーボン北海道普及促進事業」に若者向けメニューを盛り込んだ。...(2022-11-28) 全て読む