地域日本語教育充実の考え方
(解説 2022-12-05付)

 文化庁が設置する文化審議会国語分科会は、地域日本語教育施策の充実に向けた基本的な考え方、方向性等を取りまとめた。

 国および地方公共団体は、外国人材の受け入れが進む中、関係機関と連携して地域における生活者としての外国人に対する日本語教育を推進。特に元年の日本語教育の推進に関する法律や同法に基づく基本的な方針において「地方公共団体は国との適切な役割分担を踏まえ、地域の状況に応じた施策を策定・実施することに努める」とされ、文化庁は都道府県等の日本語教育への支援を進めてきた。

 報告では、地方公共団体の取組事例などを踏まえ、地域日本語教育の現状・課題を明らかにし、地域における施策の方向性や教育プログラムの編成、人材確保などの基本的な考え方を取りまとめた。

 日本語教育プログラムの編成については、定住する外国人に求められる「自立した言語使用者として生活していく上で必要とされる日本語教育(B1レベル)」を掲げ、そのために必要とされる教育内容・方法・評価、習得レベル、学習時間等の在り方を提示。

 日本語教育人材の確保・配置については、日本語教育を行うために必要な地域日本語教育コーディネーター、日本語教師、日本語学習支援者の役割を明確化し、それぞれのリソースを活用した連携体制を図っていく必要性を示している。

 このほか、日本語教育の内容や習得レベル・評価の指標を示した「日本語教育の参照枠」を踏まえ、日本語学習者が言語を学ぶ上での目標を具体的に示した「生活Can do」を作成し、地域日本語教育の内容を示している。

 今後、同報告を地域日本語教育の現場で活用してもらうよう、各種会議や研修などを通じ、地方公共団体等への周知を図っていく。

(解説 2022-12-05付)

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