【解説】不適切な保育 実態調査へ
(解説 2022-12-09付)

 静岡県裾野市の認可保育園で園児への暴行の疑いで元保育士が逮捕された事件が発生したことを受け、小倉將信こども政策担当大臣は6日の記者会見で、保育園や認定こども園における実態や自治体の対応を把握する調査を行う考えを明らかにした。

 厚生労働省が3年3月に作成した「不適切な保育の未然防止および発生時の対応についての手引き」によると、不適切な保育の行為類型として①子ども一人ひとりの人格を尊重しない関わり②物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ③罰を与える・乱暴な関わり④子ども一人ひとりの育てや家庭環境への配慮に欠ける関わり⑤差別的な関わり―を挙げている。

 不適切な保育が生じる背景として「保育士の認識」と「職場環境」を挙げ、子どもの人権や人格尊重に関する理解が不十分になることのないよう経験や自身の常識を過信することなく、関わり方が適切かを振り返る必要があるとしている。

 また、人員不足で日々の保育を職場全体で振り返る体制が整っていないことや1人で保育を任されることなど環境の問題も指摘する。

 小倉こども政策担当大臣は本事案について「子どもの安全・安心に最も配慮する保育所等でこのような事案はあってはならず、誠に遺憾。また、日々一生懸命に真面目に働いている全国の職員にも大変失礼な話」と表明。

 その上で、内閣府や厚労省において保育園や認定こども園に早急に注意喚起を行うほか、認定こども園における実態や自治体における対応を把握するための調査を検討するとし「送迎バスなど子どもの安全に関わる事案が複数発生しており、子どもの安全・安心の確保に向けて引き続き関係府省と対応していきたい」との考えを示した。

(解説 2022-12-09付)

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