渡島・檜山局、道高校長協会道南支部 担任業務のやりがいは 初任教員向けに独自セミナー
(道・道教委 2022-12-06付)

渡島・檜山局初任教員向けセミナー
渡島・檜山局初任教員向けセミナー

 【函館発】渡島教育局と檜山教育局、道高校長協会道南支部(佐竹卓支部長)は2日、北斗市農業振興センターで初任段階教員(1年次)を対象とした独自企画・ステップアップセミナーを実施した。2年次から担う可能性がある「担任業務」をテーマに、先輩教員2人が担任業務のやりがいや困難をテーマにパネルディスカッション=写真=。研究協議では、市立函館高校の花松均校長が教員に必要な素養や資質・能力を高めるために必要な経験などを伝え、初任段階教員にエールを送った。

 コロナ禍の影響で集合形式での研修機会が減り、初任段階教員が情報交流できる場を設けようと、渡島局と檜山局、道高校長協会道南支部が共同で企画したもの。

 高校教員は2年次から担任業務を担う機会が少なくないため、テーマは「担任業務」に設定。担任を受け持つことで感じる喜びや課題など、心構えを学べる内容とした。

 セミナーは、渡島・檜山管内の初任段階高校教員7人が参加。南茅部高校の坂本塁教諭(7年目)と知内高校の佐久間英喜教諭(10年目)がパネルディスカッションを行い、校務分掌と担任業務の関連性など自身の経験から見えた知見を伝えた。

 両教諭共に、校務分掌と担任業務は重なる部分があると説明。坂本教諭は「進路指導担当として、生徒の希望進路を導く思いは担任業務と重なる部分があり、役に立った経験」と話した。

 佐久間教諭は総務部として、年度計画や月行事の計画に携わった経験から「学校全体を俯瞰する視野が広がった」と回顧。卒業を見届ける際の心情や成人式での再開など、具体的なエピソードを紹介し、担任業務のやりがいを周知した。

 一方、担任業務のつらさも語った。両教諭は希望進路へ生徒を導けなかった経験やトラブルなどを挙げ、問題発生時は管理職や養護教諭に早急に相談することを推奨。あらゆる視点から課題を捉えるために、校内で人間関係を構築していく必要性を強調した。

 参加教員は、生徒との接し方や保護者への効果的な情報発信、生徒指導など普段疑問に感じている悩みや不安をざっくばらんに質問。

 両教諭は「生徒の卒業時に充実感や達成感を味わえるのは担任だけ。学級経営では、様々なことに挑戦してみて」などとエールを送った。

 グループ別の研究協議では、日ごろの業務に関する悩みや担任業務について情報交流。

 助言者の市立函館高の花松校長は教師に求められる資質・能力や素養を説明したほか、学習指導要領に関する指導と評価の一体化に向け「1年に1回は指導案を書くよう努めると良い」と資質・能力を高めるポイントをアドバイス。

 自身の教員人生から、研鑚を積むことができた経験を紹介し「人との出会いや、つながりによってキャリアが変わる」と述べた。

(道・道教委 2022-12-06付)

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