学校施設照明器具ＬＥＤ化改修　８年度末までに１８０校　札幌市教委　ＰＣＢ特措法で

（札幌市 2022-12-07付）

　札幌市教委は、５年度から学校施設照明器具のＬＥＤ化改修に着手する。学校施設で使用する蛍光灯等に含まれるポリ塩化ビフェニル（ＰＣＢ）の早期処理に関わるもの。８年度末までに市立幼・小・中・高・特別支援学校約１８０校・園を対象に整備する。初年度は６９校・園における実施設計を計画。５年度予算に１億４１００万円を要求している。

　ＰＣＢは、不燃性、電気絶縁性が高く、化学的に安定した性質を有する化学物質。ＰＣＢを使用した電気機器等には、変圧器やコンデンサー、安定器などがあり、学校施設等に設置された蛍光灯にも採用されている。その有用性が認められる一方で、過去には中毒事故があるなど、危険性も確認されていた。

　国は平成１３年、ＰＣＢの適正な処理を推進する特措法を施行。高濃度ＰＣＢについては令和４年度末、低濃度ＰＣＢは８年度末までに計画的に処理することを義務付けた。

　学校施設照明器具の改修に関わっては、これまでも改築やリニューアル改修、大規模改造事業などを契機に、校舎等におけるＬＥＤ化を進めている。一方で、これら改修事業の対象外となっている学校については、特措法に基づき、８年度末までに改修する。

　１校当たりの改修に係る経費は、設計に２００万円、改修に３０００万円を試算。総事業費は実施設計前のため流動的だが、およそ５７億円程度が見込まれる。

　５年度は幼稚園１園、小学校４７校、中学校２０校、高校１校を対象に実施設計に取りかかる。当初予算に１億４１００万円を要求している。

　特措法期限の８年度末までに１８０校・園での改修を完了させる方針。

(札幌市 2022-12-07付)