北音教札幌市小学校支部が研究大会 自らつながり求める学習 琴似中央小で授業公開など(札幌市 2022-12-06付)
旋律の特徴や工夫を交流した公開授業
道音楽教育連盟札幌市小学校支部(中屋賢一支部長)は11月30日、琴似中央小学校(山田健一校長)で第19回研究大会を開いた。公開授業では、琴似中央小の岩崎里奈教諭が児童が作った旋律を交流する活動を設定。より良い旋律を作りたいという意欲につなげる授業を展開した。
道音楽教育連盟は、全道共通研究主題「音楽のよさを分かち合い、確かな学力を育む音楽教育」のもと、生活や社会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力の育成を目指している。
それを踏まえ札幌市小学校支部では、研究副主題を「自ら音楽とのつながりを求める学習」と設定。「音楽的な気付きから思考・判断・表現する姿」「音楽を自分事として捉え、表現したり、聴いたりする姿」「仲間と共に音楽を楽しみながら、自分なりに音楽を捉え直す姿」に迫る授業づくりを進めている。
研究の視点は①子どもが自ら追究したくなる問題意識を生む指導計画②学びの自覚を促す教師の関わり―の2点。
①では、比較を用いた問題意識の醸成、題材の軸となる音楽を形づくっている要素の焦点化に力を入れている。
②では、音や音楽への共感・納得をもたらす交流、言葉と音や音楽による振り返りを取り入れている。
開会式であいさつに立った中屋支部長は、札幌市学校教育の重点の基盤として位置付けられている“人間尊重の教育”の内容に触れながら「音楽の授業づくりをしっかりと進めることが人間尊重の教育につながると感じた」と述べた。「きょうの大会を通して得たこと、学んだことを校内の先生方に広めて」と呼びかけた。
このあと、研究提言と研究討議を行ったほか、文部科学省初等中等教育局教育課程課の志民一成教科調査官が「主体的・対話的で深い学びの視点からの音楽科の授業改善」と題して講演した。
開会式に先立って行われた公開授業では、岩崎教諭が6年2組「和音の響きを感じ取って旋律をつくろう」(児童数35人)を指導した。
題材では、和音の響きの違いやその移り変わりによって生まれる美しさを感じ取ること、和音の響きを味わいながら旋律を作ることをねらい、簡単な和音進行に合わせた旋律作りを活動の中心に据えている。
本時では、前時で児童が作った旋律を交流する活動を設定。表現の特徴や良さを確認することで、自分の作りたい旋律のイメージを固めていくことを目指した。
岩崎教諭は導入で「元気」「落ち着く」の2つのイメージを持つ旋律例を提示。旋律作りへの見通しを持たせた上で交流へつなげた。
全体交流では、工夫が表れている児童の旋律を取り上げ「高い音がたくさん出てきて元気に聞こえる」「音の移り変わりが少なくて落ち着く旋律だと感じた」などの特徴を確認した。
さらに「元気な旋律にするつもりが思っていたのと違った」「落ち着く旋律にしたかったのに、実際に演奏したら元気にも聴こえる」といった児童の旋律も紹介。違和感の要因について意見を出し合わせ「音の上がり下がり」「音と音のつなげ方」を工夫することでイメージに合う旋律に近付くことに気付かせた。
振り返りでは、交流を踏まえてあらためて演奏するよう促すことで、作りたい音楽への思いや意図を確かにさせた。
(札幌市 2022-12-06付)
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