札幌市教委研究開発事業　ＣＳ導入へ　グランドデザイン作成中　地域の声、キーマンを反映

（札幌市 2022-12-08付）

　札幌市教委は、本年度研究開発事業「地域とともにある学校づくりの推進」でコミュニティ・スクール（ＣＳ）の導入を見据え、小中一貫した教育グランドデザインの作成に取り組んでいる。７月２１日、１１月３０日に開いた研究推進校連絡協議会では、本年度の研究で「地域のキーマンを見つけること」や「地域の声や協働が可能なことをグランドデザインに反映させること」などを確認。各研究推進校は今後、研究の成果を取りまとめて全市立学校へ送付するなど普及・啓発を図る。

　市は「札幌市小中一貫した教育基本方針」に基づき、４年度から全ての市立小・中学校で小中一貫した教育を実施。各学校は「自立した札幌人」の育成を目指して、子ども一人ひとりが「自分が大切にされている」と実感できる学校づくりを基盤に、パートナー校ごとに地域の実情に合った取組を進めている。

　また「札幌市教育振興基本計画」の「札幌市教育アクションプラン（後期）」における施策「地域に開かれた園・学校づくり」で、学校運営協議会制度の導入を検討するとしている。

　このため市教委は、本年度研究開発事業「地域とともにある学校づくりの推進」の一環で札幌らしいＣＳの将来的な導入を見据えて研究を進めている。

　具体的には、定山渓中、真駒内中、青葉中、東白石中、宮の森中、栄中、新川西中、平岡緑中、前田北中の９研究推進パートナー校区ごとに研究を推進。パートナー校単位による、家庭や地域の声を取り入れた小中一貫した教育のグランドデザインの作成および見直しを行う取組方法や、具体的な推進計画等について検討している。

　第１回、第２回研究推進校連絡協議会では、ＣＳにおける全国の状況や北海道の事例のほか、札幌市の現状を確認。市では現在、学校運営協議会を設置している学校はないことや、小中一貫した教育を基盤とした校種間連携に取り組んでいること、サッポロサタデースクール事業・地域開放図書館など既存の地域学校協働活動に取り組んでいることなどを申し合わせた。

　また、今後①地域のキーマンを見つける②地域の声を「いつ」「誰から」「どのように」取り入れるかを、パートナー校で検討する③地域の声や協働が可能なことをグランドデザインに反映させる―の３つの手順で研究を進めることを確認した。

　第３回連絡協議会は、来年２月１６日に開く予定。

(札幌市 2022-12-08付)