PICK UP No.5 石狩管内(道・道教委 2022-12-16付)
地域と学校の協働の在り方を協議した
◆石狩局 学力保障会議を発足
石狩教育局は本年度、管内学力保障会議を初めて開催した。管内の校長会・教頭会、PTAなどが一堂に会し、管内全ての学校で児童生徒に確実な学力を保障する取組の充実を図ることを目指している。
道教委が公表した4年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書によると、元年度以降の管内児童生徒の平均正答率推移は、中学校では国語・数学・理科いずれも全国平均を上回っているものの、小学校国語・算数で全国平均を下回っている。
学力保障会議の第1回会合では①平均正答率が30%未満の「伸びしろ層」が全国平均と比べて多い②各学年の積み残しが多い③授業改善が進まない―の3点が課題に挙がった。出席者からは「学びの保障は学校の使命。それぞれの学校で課題を抱えている学校現場だからこそ、どのような動きをするか試行錯誤しなければならない」「家庭学習に課題を感じる。保護者や学校、企業などが連携し、相談できる時間を設けてほしい」など様々な声が上がった。
学力保障会議を受け、関連する会議を相次いで開催。行政や管理職、現場で働く教員に共通理解を求めた。具体的には伸びしろ層ゼロ、中間層5、定着層5とする管内共通目標「授業改革055!」を設定。授業改革やPDCAサイクル確立などの実現に向け、管内が一体となった取組を進めている。
来年度には、第2回学力保障会議を実施する。第1回会合から1年が経過し、成果や課題を検証する予定。田中賢一局長は「学校の教育が全てのベースとなる。資質・能力の定着とあるように、教育課程において、子どもたちが実際に身になっている取組ができているか、予測困難な社会だからこそ確実な学力定着を図らなければならない」と訴える。将来の担い手である児童生徒の資質・能力育成に向けて、実効性のある取組を着実に推進する必要性を指摘する。
◆CS導入に高まる期待
コミュニティ・スクール(CS)は、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域と共にある学校づくり」への転換を図るための有効な仕組み。教育課程の改善・充実や特色ある学校づくりなど、開かれた学校運営に大きな効果がある。
札幌市立を除く石狩管内の小・中学校では、現段階で89%が導入。5年度には100%に達する見通しだ。導入した学校では、学校運営協議会が当事者意識を持って熟議したり、議論されたことが地域で実行されやすい仕組みづくりを考え合ったりするなど、地域ぐるみで学校教育を支える環境が醸成されている。
一方で、道立高校では、導入が進んでいない現状にある。
学校関係者は、様々な地域から生徒が集まる高校の特性を鑑み「生徒たちの成長について、学校と地域の捉え方が異なり、意識付けが難しいのでは」と推察する。
特別支援学校をみると、管内19校(分校を含む)のうち9校が導入。教育活動の周知や地域との連携・協力体制の一層の強化を図ることで、学習活動の場の拡大や他校種との連携促進、現場実習の受け入れ・就労先の拡充などの観点から、導入への期待が高い。
札幌あいの里高等支援学校(西牧孝徳校長)で開かれた第2回学校運営協議会では、CSの役割を再確認し、地域と学校の協働の在り方を協議。コロナ禍で中止していた、地域とのつながりを深めた取組「あいcircle」をCSの観点を踏まえて発展させるために議論した。
出席者からは「学校を知ってもらうため、作業学習などを紹介し、情報発信を行うのはどうか」「労働支援の橋渡しとなる活動ができないか」などの意見が上がった。
CSは、地域と学校の連携・協働を強化するために有効な手だてとして、一層の導入に期待が高まっている。
(道・道教委 2022-12-16付)
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