高校づくり指針意見を聞く会〈後志〉 地元で通えるよう再考を 集中取組期間の具体に関心
(道・道教委 2022-12-19付)

 【小樽発】道教委は11月30日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版(素案)に係る意見を聞く会(後志管内)をオンライン開催した。管内の教育関係者ら111人が参加。意見交換では、配置計画にある「集中取組期間」の具体について質問が上がったほか、子どもたちが安心して地元の学校に通えるような指針へと再考を求める声が多数上がった。

 冒頭、あいさつに立った川端香代子後志教育局長は、少子化の進展によって、多様で柔軟な教育課程の編成と教育機会の確保がこれまで以上に重要であるとし「忌憚のない意見をいただければ」と求めた。

 このあと担当者から素案について説明。地域とつながる高校づくり、活力と魅力ある高校づくりや公立高校配置計画、教育諸条件の整備について示した。

 意見交換では、蘭越町教委の小林俊也教育長が、配置計画のうち地域連携特例校の集中取組期間について、想定している期間や内容など具体について質問。道教委の担当者は、道・地域・学校が一体となって集中的に取り組んでいく趣旨のものであるとした上で「期間は一律ではなく、地域実情に応じて検討する」と説明。地域の子どもの人口状況なども判断材料とし、道外生徒の受け入れなど、先を見据えた高校教育を進めていく考えを提示。「今後具体例を示し、学校が動きやすいよう支援していきたい」と述べた。

 さらに小林教育長は「特例校というだけで学校の魅力が薄れる」とし、一定人数や期間で区切るのをやめ、安心できる高校選択ができるよう、地域の思いをくんだ指針改定を行うよう要請。道教委担当者は、多様な高校がある中で、ICTも活用しながら、生徒のニーズに応えられるよう指針を作っていきたい考えを示した。

 寿都町の片岡春雄町長は「地元の高校がなくなると、地元での進学を希望している子も都市部に行かなければならなくなり、家庭負担も増える。さらには地域の人口減少にもつながる」とし、どこにいても子どもが教育を受けられる環境づくりを要請。「安心して通える指針へと再考を」と訴えた。

喜茂別町立喜茂別中学校の午来睦美校長は「小さな地域にこそ特色がある。教育も特色のあるものを展開してまちづくりの起爆剤となれば」とし「先を見通した配置方法を、時間をかけて考えてほしい」と要望した。

 余市紅志高校の生田仁志校長は、T―baseを活用すれば普通科目はどこでも受講できるとした上で、地域の農業や福祉との連携に力を入れることの重要性を提示。「小規模校の価値を高めるために、ICTの推進を」と述べた。

 道教委担当者は「これまで特例校を支えるものであったT―baseについて、道ならではの使い方を協議していきたい。今後も活用方法について意見をいただければ」とした。

(道・道教委 2022-12-19付)

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