【解説】私立の学習費　公立の３倍

（解説 2022-12-26付）

　子どもが幼稚園から高校までの１５年間、全て私立に通った場合の学習費総額は、全て公立に通った場合の３倍を超える金額になることが、文部科学省の３年度子どもの学習費調査結果で明らかになった。

　２年度調査が新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったことから、今回調査は平成３０年度調査以来３年ぶりの実施となった。

　保護者が１年間に支出した子ども１人当たりの学習費総額をみると、幼稚園は、公立が前回調査よりも５万８５２１円減の１６万５１２６円、私立が２１万９００７円減の３０万８９０９円。小学校は、公立が３万１２８５円増の３５万２５６６円、私立が６万８２５８円増の１６６万６９４９円となった。中学校は、公立が５万４０２円増の５３万８７９９円、私立が２万９９２０円増の１４３万６３５３円。高校は、公立が５万５５９１円増の５１万２９７１円、私立が８万４５３３円増の１０５万４４４４円だった。

　学校教育費について、公立・私立幼稚園共に「通学関係費」の支出が最も多い。公立小学校は「図書・学用品・実習材料費等」、私立は「授業料」の支出が多かった。

　公立中学校は「通学関係費」、私立は「授業料」の支出が多く、公立高校は「授業料」および「学校納付金等」の支出が３割弱であるのに対し、私立は５割程度となっている。

　学校外活動費をみると、公立幼稚園は「補助学習費」、私立は「スポーツ・レクリエーション活動」、小学校、中学校、高校はいずれも、公立・私立共に「補助学習費」の支出が最も多かった。

　幼稚園３歳から高校第３学年までの１５年間、全て私立に通った場合の学習費総額は１８３８万円。全て公立に通った場合の５７４万円との差は約３・２倍。

(解説 2022-12-26付)