【解説】教員就職率 2年連続で上昇
(解説 2022-12-20付)

 文部科学省の調査によると、国立の教員養成大学の4年3月卒業者の教員就職率(大学院等への進学者、保育士への就職者を除く)は前年度比1・7ポイント増の66・9%となり、2年連続で上昇したことが分かった。要因として一部の大学や学部で大幅に教員就職率が向上したことを挙げている。

 国立の教員養成大学・学部における4年度の卒業者数は前年度から43人減の1万1405人。このうち教員への就職者数は99人増加して6851人(正規採用5012人、臨時的任用1839人)となった。

 大学院等への進学者と保育者数は69人増の1157人となった一方、教員・保育士以外への就職者数は125人減の2890人と減少した。

 文科省によると、教員就職率が向上した大学・学部では「面接や集団討論の実施など教員志望が高い学生を入学させる入試改革」「教育委員会との連携したボランティアや学校体験」「現職教員との交流や実務経験のある教員による採用試験のサポート」などの取組が講じられており、岩手大学は13・2ポイント増の66・7%、秋田大学は9・5ポイント増の75・2%、愛知教育大学は8・5ポイント増の73・7%と上昇している。

 国私立の教職大学院修了者の就職状況をみると、修了者数は前年度比143人増の969人。このうち教員への就職者数は142人増の894人(正規採用680人、臨時的任用214人)で、教員就職率は1・3ポイント増の92・3%となっている。

 平成22年度から一貫して9割以上となっており、文科省は入学者選抜における教師としての資質・能力の確認や、修了生に対する指導助言などのフォローアップが高水準の維持に寄与していると分析している。

(解説 2022-12-20付)

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