子主体の問題解決探る 北理研 旭川で研究大会
(関係団体 2022-12-26付)

北理研研究大会旭川大会①
北理研研究大会旭川大会①

 【旭川発】道小学校理科研究会(北理研、紺野高裕会長)は11月上旬、ハイブリッド形式で第69回道小学校理科教育研究大会旭川大会を開いた=写真上=。ホスト会場は上川教育研修センター。全道研究テーマ「“子ども主体の問題解決”を問い直す」、研究主題「自らかかわり、科学的に考え、知を更新する子供の育成」のもと、これからの時代に求められる理科教育などについて研鑚を積んだ。

 道小学校理科研究会旭川支部・旭川市教育研究会理科部が主管。道教委、旭川市教委、道小学校長会、道中学校長会などが後援した。

 授業動画はユーチューブで事前に配信。旭川市立共栄小学校の山崎知子教諭による3年生「音」、旭川市立神楽岡小学校の渡部恭平教諭による4年生「雨水と地面」、道教育大学附属旭川小学校の菊田康平教諭による5年生「もののとけ方」、旭川市立緑新小学校の久川聡教諭による6年生「土地のつくり」の4授業を公開した。

 はじめに紺野会長があいさつ。コロナ禍によるハイブリッド形式での開催に触れ「三木勝仁実行委員長のもと、多くの困難を乗り越え、授業づくりをはじめ、授業の録画・編集・配信や通信環境の確保など大変な準備をしていただいた」と謝示。昨年のオンラインによる釧路大会から「一歩前進させ、ハイブリット形式による大会が実現できたのは実行委員会事務局の皆さんが一致結束して様々な問題解決に当たったからこそであり、並々ならぬ尽力に深く敬意を表する」と伝えた。

 また「各授業・研究発表の分科会で、画面越しではあるが活発な議論がなされ、貴重な授業提案・研究発表の提案に報いる有意義な時間となることを」と期待した。

 上川教育局の岸本亮局長、旭川市教委の野﨑幸宏教育長が祝辞。岸本局長は「小学校理科は子どもたちが普段何気なく触れている自然や科学的事象に対し観察・実験といった活動にスポットを当て、疑問を引き出し、研究させ、分かることの喜びを与える素晴らしい教科。令和の日本型学校教育の実現を目指す大変意義深い多くの成果が得られるものと期待している」。

 野﨑教育長は「昭和33年の第1回大会から長年にわたって組織的・継続的に実践研究を積み重ね、北海道の理科教育の充実・発展に多大な貢献をしていることに深く感謝と敬意を表する。本市の小学校理科の授業改善はもとより、全道の理科教育の一層の充実・発展につながるものと大いに期待している」と述べた。

 旭川支部研究提言のあと、授業分科会・学年別分科会を実施した。

 続いて、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官・学力調査官の有本淳氏が「これからの時代に求められる理科教育」と題して講演した=写真下=。

 有本氏は公開された4授業について「子どもが先生の発問に困ったときに問題に返っており、子どもが確認できていた」などと評価したほか①国際調査結果からの課題②小学校理科で育成を目指す資質・能力③「指導と評価の一体化」のための学習評価④GIGAスクール構想の実現―の4点について解説した。

 うち①ではTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)における理科の平均得点、「理科の勉強は楽しい」と答えた児童生徒の割合の推移を示しながら、合わせて課題を指摘した。

 ②では小学校理科の教科の目標を示し「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力の育成」「学びを人生や社会に生かそうとする、学びに向かう力・人間性のかん養」が重要であることを伝えた。

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北理研研究大会旭川大会②
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(関係団体 2022-12-26付)

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