道公立学校事務長会 研究協議会 業務量増には人員増を 要綱による職務の見直し(関係団体 2023-01-06付)
オンラインを含め全道で協議した
道公立学校事務長会(岩間淳会長)はこのほど、ホテルライフォート札幌で調査研究推進委員研究協議会を開いた。道教委が求めた「要綱」に基づく職務内容の見直しについて協議。「通常業務でいっぱいいっぱいな状況においては新たな業務を受け入れることができない」といった声が多数寄せられた。一方、「保護者や地域につながり、広い視野を持つことができる」「事務職員業務の魅力化につながる」といった声も出された。
同協議会は、会員の資質向上を目指し、直面する課題や、学校事務を取り巻く状況の変化を踏まえたテーマを掲げ協議するもの。
岩間会長は、この日の本部設定テーマ「道立学校における事務職員の標準的な職務の内容」について「このことを理解し、受け止めるにはつぎの3点を整理しなければならない」と指摘。
「1つ目は、職務とは何か、どのように決められるものなのか、決めるときの視点は何か」「2つ目は、事務職員の専門性とは何か」「3つ目は、適切な業務の連携・分担。適切とはどのような状態のことか。分担を決めるためにどのような視点が必要か」などを「整理する必要がある」とした。
また「事務長は事務室のかじ取り役。メンバーの職務段階や経験年数、学校規模、地域の実情等を考慮し、要綱を踏まえた上で適切な連携・分担となるよう学校長と調整していかなければならない」と訴えた。
続いて、調査研究部が昨年9月に実施したアンケート結果などについて活動報告。 さらに、本部設定テーマ「道立学校における事務職員の標準的な職務の内容」について研究協議を行った。
道教委の3年2月26日付教育長通達などを受け、職務内容の見直しを行ったほか、教員との業務分担等難しい点はあったかなどを全道で協議。
各支部からは「校務に参画する気持ちはあるが、その前に解決すべき課題がある」「業務量を増やすには人員増が必要。現状では休暇すら取りにくい」「他の業務が増えることにより、事務職員の財務の専門性が失われる」「通常業務で錯綜し、いっぱいいっぱいな状況においては新たな業務を受け入れることができない」「現状でのさらなる負担増は、事務職員の業務を滞らせることにつながることが容易に想定される」などの声が多数上がった。
また「小規模校が多く、事務長と初任者という組み合わせが多く苦慮している」「小規模校は経験が少ない職員が多く、全部事務に聞きにくる。教頭の資質にも左右される」「新採用が多い地域においては、育てるそばから他管内に異動していく体制の中で事務室運営を行っており、見直しに割ける余力がない」など、小規模・へき地校ゆえの課題も多数寄せられた。
また「自分は引き受けられても後任が続けられるかを考えるとできない」「異動があるので、各校で職務がバラバラだと混乱する」といった懸念も多かった。
一方「事務室の人員が十分であれば見直しを検討したい」「学校説明会での新規資料の作成(BYODの導入)を事務で行うこととした」「防災計画について事務で行うこととした」「事務職員も教員の業務に参画させることで、生徒・保護者や地域によりつながり、広い視野を持つことができる」「事務職員業務の魅力化にもつながり、教員志望など明確な進路意識を持つ学生にとって、事務職員も選択肢になってくるのでは」といった声も出された。
このあと、各支部からの情報交換を行った。
(関係団体 2023-01-06付)
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