養護教諭の業務支援へ文科省　退職者の派遣費用補助　調査研究開始　定数改善も

（国 2023-01-23付）

　文部科学省は来年度、養護教諭の業務を支援する新規事業の開始を計画している。繁忙期の業務や研修参加時の業務を代替するため退職養護教諭の派遣経費を補助するもの。養護教諭の業務内容を調査し、より良い業務の在り方を提案する調査研究も開始するほか、いじめ問題など課題のある学校に対応するための養護教諭の定数改善として２０人の拡充を予定している。

　近年、児童生徒の健康課題は生活習慣の乱れ、メンタルヘルス、アレルギー疾患など問題が複雑・多様化している。また、新型コロナウイルス感染症によって消毒や健康管理に携わる養護教諭の業務負担が大きな課題となっている。

　このため文科省は、５年度から学校保健推進体制支援事業の開始を計画。都道府県・政令指定都市における退職養護教諭の派遣事業の費用を３分の１まで補助する。繁忙期や大規模校における業務を支援し、学校現場への指導助言や在籍教諭の研修参加時に業務を代替する。

　より良い児童生徒の健康増進に注力できる体制を構築するため、疾病の管理・予防や健康相談などの養護教諭の業務を把握する調査研究も開始する。民間業者に委託して業務手法の工夫、業務分担、他の教職員や関係機関との連携などを検討し、効果的な業務体制構築の好事例やアイデアを提案する。

(国 2023-01-23付)