文科省 夜間中学等実態調査 多様な入学理由明らかに 不登校受入「未検討」4分の3(国 2023-01-25付)
文部科学省は夜間中学等に関する4年度実態調査を公表した。公立夜間中学の入学理由は日本国籍の生徒は「中学校の学力の定着」、外国籍の生徒は「日本語能力の習得」が最も多く、多様な背景の生徒から様々な学びの需要があることが分かった。全国の公立夜間中学40校のうち、不登校の学齢生徒を受け入れている学校は3校のみで、受け入れを「検討していない」との回答が4分の3を占めた。
平成28年の教育機会確保法の公布・施行に伴い、全ての自治体で公立夜間中学等の設置を含む修学機会提供等の措置が講じられることとなった。調査は新たな夜間中学の設置促進と既存の夜間中学の提供を拡充する施策を検討するため数年おきに実施しているもの。調査は4年5月1日時点。
公立夜間中学に通う生徒数の合計は1558人。属性の内訳は「日本国籍を有しない人」が66・7%、「既卒者」が23・2%、「義務教育未修了者」が10・1%となっている。
外国籍の生徒の国籍は中国が33・1%と最も高く、ネパール(22・4%)、韓国・朝鮮(11・6%)、フィリピン(10・9%)、ベトナム(5・0%)などと続いた。
1校当たりの平均生徒数は39人。学校別の生徒数は札幌市立星友館中学校が守口市、堺市に次いで3番目に生徒数が多い。
夜間中学に通う理由をみると、日本国籍の生徒は「中学校の学力を身に付けたい」「高校に入学するため」「中学校教育を修了しておきたい」の順に高かった。外国籍の生徒は「日本語を話せるようになるため」「読み書きができるようになるため」「高校に入学するため」と続いている。
全国の都道府県・政令指定都市教委のうち、夜間中学の設置に向けて検討・準備を行っている自治体は18団体。このうち11団体が詳細について決定している。
5年度は静岡県、千葉市、仙台市、姫路市、6年度は群馬県、福島市、泉佐野市などで新たな夜間中学の開校が予定されている。
夜間中学の設置自治体の58・8%が給食を実施。就学援助に類する経済的支援の実施率は64・7%、受け入れ生徒の対象拡大のために他自治体の調整を行っている割合は35・3%。
不登校となっている学齢生徒の受け入れについては、40校中31校が「検討していない」と回答。「今後、ニーズを把握して検討を開始する予定」が6校、「教育支援センター的機能として事実上受け入れている」が2校、「不登校特例校として受け入れている」が香川県三豊市立高瀬中学校の1校のみとなっている。
(国 2023-01-25付)
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