教員育成指標 改訂へ大詰め 本道の独自性広く発信を 情報活用能力にも期待の声(道・道教委 2023-02-02付)
道教委は1月31日、北海道教員育成協議会の第5回会議をオンラインで開催し、北海道における教員育成指標の改訂案を示した。内容に関して委員からは概ね賛意が寄せられ、北海道ならではの指標として教員志願者を含めた全ての教育関係者に分かりやすく情報を発信するよう求める声があった。今後は引き続き校種別(幼稚園、小・中・義務教育学校、高校、特別支援学校)、職種別(養護教諭、栄養教諭)の指標の改訂作業を進め、3月に策定・公表する。
現行の教員育成指標は平成29年12月に策定。教育公務員特例法・教育職員免許法の一部改正に伴い、国において新たな教師の資質向上に関する指針が示されたことから指標の見直しに向けて準備を進めている。
はじめに、道教委が書面開催とした前回協議会での委員の意見や指標の改訂案について説明。教員育成の考え方として教員同士の学び合いや現場での経験の重視、学び合う同僚性について明記することとした。
学校管理職の育成指標では「校長・園長」の指標に基づき「副校長・副園長・教頭」「管理職候補」で期待される資質・能力も共通の項目として改訂。教員の指標では学校・職種にかかわらず共通的に求められる資質・能力を5つの柱に再整理し、初任段階に求められる情報活用能力の中に「情報モラル・情報セキュリティ」を追記する。
また、教員の成長段階に応じた資質・能力向上の目安となるよう校種・職の指標ごとに複数の成長段階を設定して活用すること、指標は画一的な教員を求めるのではなく一人ひとりが長所・個性を生かして資質・能力の向上を図る目安であることなどを周知する。
続いて意見交換を実施。「教材研究は子どもの興味・関心を引き出すだけでは不十分で“深い学び”につなげることが必要。同僚との協働による教材研究や授業研究も盛り込むべき」「授業成果を主観のみならず客観的に捉えるため、教育課程の見直しにも科学的根拠が必要。学校がエビデンスに基づく取組を進めることが重要」「日常的に子どもと向き合うのが教師の仕事。その時間を確保するために指標を簡略化するなど、読み手の教員の視点に立った示し方とすべき」などの意見があった。
PTAの関係者は情報モラル教育の記載を評価。「先生は大変かもしれないが子どもにとってとても重要。保護者として頑張ってほしいと思う」と述べた。
最後に、来年度から始まる新たな研修制度の概要を説明。研修の記録に当たっては、国の動向を見据え5年度当初は道教委から記録用の電子ファイルを提供し、その後6年度からの本格導入が予定されている研修履歴記録システムに移行する方針を示した。
道教委は2月中に新たな研修制度に関する説明をオンラインで実施するほか、手引やQ&Aを作成・周知することで次年度への円滑な実施を図る予定。
(道・道教委 2023-02-02付)
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