本道ケアラー支援の方向性 11月を「支援推進月間」に 5年度からサポーター制度創設(道・道教委 2023-02-06付)
ケアラー支援会議
道は2日、第3回道ケアラー支援有識者会議をオンラインで開催し、パブリックコメントを踏まえ修正した北海道ケアラー推進計画(仮称)案について審議した=写真=。来年度から11月を「ケアラー支援推進月間」に設定し、認知度向上に向けた広報活動を集中的に展開する方針を確認。ケアラー・サポーターの認定制度の創設や学校教育でも活用できる児童生徒用の広報資材の作成など、本道におけるケアラー支援の方向性を示した。
道の実態調査によると、本道の小学5・6年生の4・7%、中学2年生の3・9%、全日制高校2年生の3・0%がヤングケアラーであることが判明。道は条例に基づき、ケアラーを支援する道の施策を総合的・計画的に推進するため、道ケアラー推進計画(仮称)策定に向けた準備を進めている。
計画期間は5~7年度の3年間。条例に掲げる基本的施策「普及啓発の促進」「早期発見・相談の場の確保」「ケアラーを支援する地域づくり」を重点的取組に位置付ける。
12月のパブリックコメントを踏まえ素案を修正。国が「介護の日」に設定している11月11日と連動し、毎年11月を「ケアラー支援推進月間」に位置付けて様々な広報活動を展開する方針を示した。
ヤングケアラーの支援人材育成の指標も設定。市町村(児童福祉、教育委員会)、学校(小・中学校、高校)、児童相談等の関係機関におけるヤングケアラー・コーディネーターが行う研修受講者数の目標数値として、5年度は800人、6年度は1600人、7年度は2400人を目指すとした。
続いて道がケアラー認知度向上に向けた取組について説明。昨年12月、道内の全小・中学校、高校に道の相談窓口の連絡先を記載したカードを40万枚配布したことを報告した。5年度の取組では、児童生徒自身がヤングケアラーを正しく理解し「自分が該当するかもしれない」と感じたときに相談できるために児童生徒向けの広報資材を作成する方針を示した。今後、子どもの意見を聞く方法を検討した上で年代層ごとに資材を作成。例えばガイドブックなどを活用して学校教育で活用してもらうことを想定している。
また、ケアラーやヤングケアラー支援の研修受講者を道が「ケアラー・サポーター」として認定する制度を創設するほか、専門職以外の人でもすぐに活用できる簡易版のアセスメントシートを作成する方針を示した。
教育関係者からは簡易版のアセスメントシート作成に期待する声が上がり「学校や市町村で共通のツールとしてほしい」と意見した。
全道で先駆けてケアラー支援の条例を制定した栗山町からは町独自のヤングケラーの調査の実態調査結果について報告があり、児童生徒全体に占める割合は4・8%程度と国や道の調査とほぼ同じだったことを伝えた。個々の家庭によって状況は様々とし「マニュアル化や画一的な支援はできないため、子どもや家庭に寄り添った支援を個別に行うことが必要」と強調した。
(道・道教委 2023-02-06付)
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