4年度道教育実践表彰 功績概要①
(道・道教委 2023-02-07付)

 道教委の4年度道教育実践表彰の被表彰校・表彰者の教育活動概要はつぎのとおり。

=敬称略=

◆学校表彰

▼仁木町立仁木小学校(半田健一校長)

 長年にわたり「よく考える子 助け合う子 元気で明るい子」の育成を目指し、学校全体で組織的・計画的な授業改善に取り組んでいる。

 特に単元配列表の作成・活用、仁木小リフォームキャンペーン、教育活動パワーアップワークショップなどを通じて明らかとなった学校課題を学力向上ロードマップを活用して全教職員で共有するとともに、解決に向けた取組を具体化・重点化して実践することによって、学力向上に大きな成果を上げている。

 また、令和3年度第2回組織力強化会議や令和4年度公立小・中学校学校運営研修会において、各種データ等に基づく検証改善サイクルの確立や全教職員による組織的な取組を管内に普及するなど、その実績は高く評価されている。

▼初山別村立初山別小学校(安居和校長)

 長年にわたり、地域の特色を生かした教育活動を展開するとともに、令和2年度から授業改善推進チーム事業の指定を受け、学力向上および学校改善に向けた取組を推進している。

 特に、学習指導要領の着実な定着に向けて主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善を学校全体で取り組むことができるよう、教育課程編成の手引(道教委作成)を活用した授業づくりの視点に基づいた取組を学校研究に設定し、授業改善推進教員が研究部長として学力向上および学校改善に向けた研究を学校全体で推進している。

 また、「授業力自己診断シート」を活用した教師自身の振り返りや課題の把握をもとに、全教員の資質能力の向上を図るとともに、地域の学力向上の推進に向けて、成果を普及啓発するなど、その実践は高く評価されている。

▼北広島市立東部中学校(佐藤直己校長)

 長年にわたり、目指す子ども像として「夢をかなえるために、学んだことをもとに、自分のことばで堂々と語れる姿」を掲げ、全教職員の協働体制のもと、学校経営方針に基づいた取組を進めている。

 特に3年度は、北広島市で開催された小中一貫教育全国サミットの会場校として「9年間の学びを教育課程で紡ぐ」をテーマに、取組を発表・発信し、大志学(キャリア教育)に関する授業や小中合同授業を通して、子どもたちの社会性の育成やふるさとに対する意識の醸成、自己有用感の向上に大きな成果を上げている。

 また、3年度から「学校力向上に関する総合実践事業」の指定を受け、ICT環境を整備し、タブレット端末を積極的に活用した授業の構築に当たり、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を図るとともに、教科等横断的な視点で教育課程を編成するなど、その実践は高く評価されている。

▼八雲町立八雲中学校(石岡一智校長)

 長年にわたり、重点教育目標「“自ら学び鍛え 良さを伸長し合える生徒”の育成」の実現を目指し、家庭・地域と一体となって、人の良さを発見し尊重する態度を育む教育活動の充実に取り組んでいる。

 特に、学校経営の重点として「授業改善(読解力・ICT活用)の八雲中」を掲げ、校内研修の中心に位置付け、各教科等の中で読解力の向上を目指した授業を積極的に展開しており、全教職員が「間違い」や「誤読」に気付かせる学習指導を行うことを通して、生徒の言語能力の育成を図るとともに、その成果を町内や管内の各学校へ普及・啓発するなど、大きな成果を上げている。

 また、1人1台端末を効果的に活用し、授業改善を意欲的に進めるとともに、コロナ禍における「学びの保障」の実現に向けてオンライン授業を展開し、その取組の成果は実践事例として紹介されるなど、高く評価されている。

▼大樹町立大樹中学校(長江教貴校長)

 長年にわたり、学校教育目標の一つとして「深く考え、意欲的に学習に取り組む生徒」を設定し、創意工夫を凝らした教育課程の編成・実施に努め、学力向上の取組を進めている。

 特に、管理職のリーダーシップのもと、2年度から「学校力向上に関する総合実践事業地域指定校」として包括的な授業改善に取り組むとともに、数学科の教諭による小学校への乗り入れ授業を推進し、日常から専門性を生かした高学年の算数科の指導に当たるなど、小・中学校の9年間を見通して学力向上を中心に据えた連携を積極的に進め、大きな成果を上げている。

 また、2年度から「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、全職員による授業公開を実施するなど、組織的な授業改善に取り組んでおり、4年度全国学力・学習状況調査において実施3教科とも全国平均正答率を大きく上回るなど、その実践は高く評価されている。

▼釧路市立阿寒湖義務教育学校(林政孝校長)

 開校以来、ふるさと阿寒湖を愛し、心豊かにたくましく生きる子どもの育成を目指し、釧路市における初の義務教育学校として、学習指導と生徒指導の充実を図るための取組の推進に努めている。

 特に、目指す子ども像の実現に向けて、4―3―2の3ステージ制の導入とステージごとに目指す子ども像の明確化、2ndステージからの完全教科担任制の実施や地域の教育資源を最大限に活用した教科等横断的な学習「阿寒湖学」の実施など、連続性、系統性、専門性を重視した教育課程を編成することによって、大きな成果を上げている。

 また、児童生徒理解研修の実施や前期課程と後期課程の合同宿泊学習、児童生徒会による異学年交流、縦割り班清掃等の実施によって、子どもの心理的安定を基盤とし、集団生活や人間関係をより良く形成し、自己実現を図ろうとする態度の育成につなげるなど、その実践は高く評価されている。

▼苫前商業高校(佐藤恵一校長)

 長年にわたり、校訓「自主自律」のもと、望ましい勤労観や職業観を身に付けた生徒の育成を目指し、地域に根ざした学校づくりに取り組んでいる。

 特に、地域貢献として、町教委主催のボランティア活動への参加のほか、町のイベント活動に積極的に協力するとともに、平成24年度より札幌地区で販売実習会を行い、苫前町の特産物の販売や観光のPR活動によって地域の振興・発展に貢献することを通じて、地域に対し自ら主体的に考え取り組む生徒の育成に大きな成果を上げている。

 また、町の「地域未来ビジョンミーティング」に生徒も参加し、地域の諸課題について大人たちと意見交換を行うとともに、生徒自ら企画し、産官学の連携による自転車ツーリング事業を行うなど、その実践は高く評価されている。

 さらに、4年度から、入学生を全国募集したことに伴い「地域学(とままえ学)」を導入し、苫前町の歴史を学ぶことによって郷土愛を深めるとともに、地域とのつながりを強固なものにしている。

▼標津高校(渡辺幹夫校長)

 長年にわたり「潜在能力が開花し、一人ひとりが輝く学校」を目指し、地域の教育資源を活用した教育活動を通じて、地域の未来を創っていく生徒の育成に取り組んでいる。

 特に、平成28年度から避難所運営ゲーム(HUG)を活用した防災・減災活動を開始し、令和元年度および2年度には、生徒会が中心となり「標津町版オリジナルHUG」を製作し、完成後にはその活用と普及を図ることを通して生徒とPTA、地域住民との防災に関する連携強化に成果を上げた。

 また、東日本大震災の被災地である福島県での被災地支援ボランティアへの参加や標津町と連携した防災の取組(避難訓練等)を継続的に実施することによって、生徒の防災に対する意識の向上を図り、標津町内の園児・小学生・中学生の防災学習において、生徒が被災地研修報告会や出前授業の講師を務める等によって「地域循環型防災教育」の推進に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼旭川盲学校(宮岸尚平校長)

 長年にわたり「自ら学び、考えを深め広げ、自らの人生を切り拓(ひら)いていく子ども」の育成を目指し、道北地域の視覚障がい者に対する教育を担っている唯一の盲学校として、創立100周年を迎えた。

 特に、自校に在籍する幼児児童生徒の指導や支援はもとより、特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業が開始される以前から、視覚障がいに関する教育相談や地域への支援を道北地域全体に対して継続的に行い、近年は、視覚障がい教育の専門性を生かし、視覚障がいに加え発達障がいのある児童生徒の読み書きへの相談に対応し、大きな成果を上げている。

 また、ICTを活用した取組を積極的に行い、1人1台端末を効果的に活用した道内外の盲学校との遠隔交流を進めているほか、視覚障がいのある児童生徒の見えにくさに応じたアプリケーション等を活用した指導を行い、その方策を地域の特別支援学級等に還元するなど、その実践は高く評価されている。

◆若手教職員等奨励賞

▼大野寛文(深川市一已小教諭)―ICT機器を活用した授業改善の取組

 深川市ICT推進委員として、小・中学校における「情報教育全体計画」を作成し、系統立てた情報教育を推進し、GIGAスクール構想のもとでの1人1台端末を活用した授業改善に尽力するとともに、校内でのミニ研修や授業交流等を積極的に推進する中で、学校全体で取り組むICT機器を活用した創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に「深川市教育の情報化推進校」公開研修会において、授業者として授業公開するなど、自身の実践成果を積極的に発信する取組は他の規範となっており、本道のICT機器を活用した教育活動の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、管内独自の「1人1台端末を授業で活用する研修会」では、実践発表者としての役割を担い、1人1台端末を活用した授業づくりに向けた中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づく授業実践の成果を全道に広く発信するなど、その実践は高く評価されている。

▼近藤美来(留寿都村留寿都小栄養教諭)―学校教育活動全体を通じた食に関する指導の充実に向けた取組

 栄養教諭として、学校給食の充実に取り組み、安全・安心な給食の提供の充実に尽力するとともに、学校教育活動全体を通じた食に関する指導を推進する中で、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、オリンピック・パラリンピック参加国の代表食を学校給食で提供し、子どもたちの外国の食への関心を高めたほか「ルスツふるさと給食まつり」を実施し、地域と連携して、地場の食材や地元事業者が製造した食品を献立に集中的に提供する週間を設け、地産地消の食への関心を高める取組の中核を担うなど、学校給食の充実に向けた取組は他の模範となっており、本道の食育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、学級担任と連携を図った食に関する指導の授業づくりの推進に向けて中核的な役割を果たすとともに、初任段階教員研修において講師を務め、様々な取組を若い栄養教諭に紹介するなど、その実践は高く評価されている。

▼川田紬(旭川市東光小教諭)―道徳教育の指導充実の取組

 小学校教諭として、児童理解を基盤とした学級経営や問題解決的な学習過程を基本にICTを活用した授業づくりに取り組み、校内研修係として、ICT活用方法推進などを提案するほか、メンターとして後輩教員の課題解決に協働的に取り組むなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、道徳教育において、学習指導要領の趣旨や内容について理解を深め、授業における質の高い多様な指導方法を工夫し「考え議論する道徳」の授業づくりに取り組むなど、学校の教育活動全体を通じた道徳教育の改善充実に向けた取組は他の模範となっており、自校の道徳教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、旭川市教育委員会、オホーツク教育局、上川管内道徳教育研究会と連携を図った道徳教育に関する指導の充実に中核的な役割を果たし、北海道道徳教育推進会議において授業提言を行うなど、その実践は高く評価されている。

▼宮田一央(網走市白鳥台小教諭)―道徳科の指導方法工夫の取組

 道徳教育研究指定校を受けている自校において「考え、議論する道徳」の実現に向け、「特別の教科道徳」の特質を踏まえた授業改善に取り組んでいる。令和3年度からは研修部長として、道徳科における「多面的・多角的な思考」を促す発問構成や指導過程の工夫等、道徳教育の質的向上の取組等について、自校の公開研究会を通じて全道の学校に情報発信するとともに、他校からの講師依頼、資料提供に積極的に応じ、管内教育の充実・発展に寄与している。

 また、地域教育政策推進事業「教えて!先生の仕事~中高生向け教職教養セミナー~」の講師を務め、将来教員を目指す中学生・高学生等に対して、教職の素晴らしさ、道徳教育の意義等を伝えたり、網走市学力向上フォーラムで「若手教員授業づくり」の講師を務め、道徳科の評価の在り方等についてワークショップを開催したりするなど、後進となる人材の育成にも寄与している。

▼井上大輔(紋別市潮見小教諭)―児童が主体的に学ぶ授業改善の取組

 教育的専門知識が豊富で、児童が意欲的に学ぶ集団づくりや主体的に学ぶ授業づくりを推進している。

 また、ICTを活用した授業づくりを積極的に行い、情報収集や教材提示だけではなく、考えの構成や整理、交流、深化等、児童の思考ツールとしての活用を日常的に行っている。 校内では積極的に授業公開するなど自身の実践を広く紹介するとともに、授業づくりで悩んでいる若手教員に親身に相談に乗り的確なアドバイスをするなど中堅教員としての役割を果たしている。

 研修副部長として、GIGAスクール構想の実現に向け、ICTを活用した授業などの取組のほか、校内研修では中心的役割を担い、研修の企画・運営、ミニ実技研修の講師などを引き受け、学校全体の授業力向上に大きく貢献している。

▼野尻智(紋別市紋別小教諭)―主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の取組

 児童の主体的・対話的で深い学びの実現のため、算数科の授業実践を通して、発問、問い返しの工夫等の授業改善に取り組み、後進の授業改善のため、指導、助言を日常的に実施している。

 オホーツク管内算数数学教育研究会に所属し、日常的な算数指導の充実に取り組むほか、3年度第76回北海道算数数学教育研究大会釧路大会において実践発表を行うなど、中心的役割を担っている。

 また、全国学力学習調査で自校の課題と授業で取り扱う学習内容と関連付け、児童の学力向上に向け、日常的な授業改善に取り組んでいる。

 さらに「道徳教育推進教師」として、全道の教職員を対象に公開授業や講演会の開催し、授業力や資質の向上を図っている。

 オホーツク管内の算数科の教育セミナーにおいて、日常授業におけるデジタル教科書を用いたICT機器の効果的な活用に係る実践について発表するなど、管内教育の充実に大きく貢献している。

▼渡辺紋望(網走市網走小教諭)―算数科を中心とした授業改善の取組

 元年度から、網走地方教育研修センター研究推進員として算数科を中心に研究を進め、管内に研究実践を発信した。2年度には、2年間の研究の成果をオホーツク管内に広く発信し、令和3年度は、第76回北海道算数数学教育研究大会釧路大会領域・課題別分科会において、ねらいを明確にした効果的な習熟度別指導の授業実践および研究の成果について発表し、授業改善の視点を全道に発信した。

 また、近隣小規模校と交流授業を実施し、対話的な場面を設定した授業公開を行うなどの学校間連携を推進したほか、自校において、これまでの算数科における研究の成果を実践し、児童の学力向上に貢献するとともに、校内研修担当として全国学力・学習状況調査および全国標準学力検査の結果を分析し、全教員で調査問題に取り組むミニ研修を企画し、校内の課題の把握、即時的な授業改善につながるポイントの提案を行い、研究推進の役割を担うなど、学校全体の授業力向上に大きく貢献している。

▼川村まどか(広尾町広尾小教諭)―「主体的・対話的で深い学び」の充実に向けた授業改善の推進

 採用以来、小学校教諭として、国語科教育の充実に取り組み、「主体的・対話的で深い学び」の視点から児童の資質・能力を高めるための言語活動を単元計画に位置付けた授業を展開している。

 特に、授業力に長けており、校内研修等において児童を中心に据えた授業改善を提案・推進し、広尾町教育研究大会では授業者として、児童が身に付いた力を実感できる授業展開を町内や近隣市町村に発信するなど、大きな成果を上げている。

 また、児童理解力が高く、「生徒指導の機能」を生かした学級づくりをし、Q―Uアンケートの分析を活用するなどの工夫や教育的瞬間を見落とさない学級経営を行い、落ちついた教育環境を創出している。

 さらに、メンター研修では初任段階の職員に学級経営について指導を行うなど、本道の教育の振興と充実に大きな成果を挙げており、その実践は高く評価されている。

▼塩沢祐菜(中標津町中標津東小教諭)―日常実践の検証と校内研修の工夫を効果的に連動させた授業改善の取組

 自ら課題の解決に向けて見通しを持ち、授業の中で児童同士の対話や交流を通じて自らの考えを深め、解決の過程を振り返る学習指導の充実に取り組み、意欲的に主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に熱心に取り組んでいる。

 特に、自らの授業改善に取り組むだけでなく、研修部の一員として、率先して中堅・ベテラン層の経験が若年層の教員に伝わるような研修を企画し実施するなど、学校全体で授業改善を図る取組は他の模範となっており、校内研修の活性化や、近隣小・中学校における課題の共有や取組内容、改善に大きな成果を上げている。

 また、北海道道徳教育研究大会根室・中標津大会の授業者として、道徳科の授業改善に取り組み、児童がより良く生きるための基盤となる道徳性を養うため、自己の生き方についての考えを深める授業改善の在り方について意欲的に研鑽を積んでいる。

▼大久保拓弥(大樹町大樹中教諭)―国語科教育における授業改善の推進

 中学校教諭として、自校の国語科教育における授業改善に取り組み、学校力の向上に尽力するとともに生徒の「書く力」の向上に向けた創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、第75回北海道国語科教育研究大会で「書くこと」部会における授業公開を行うなど、資質・能力の向上を図るとともに、「書くこと」の指導を全職員に提唱し、教科等横断的な視点から指導を徹底する校内体制づくりを推進するなど、本道の国語科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、全校的な取組として、朝読書の時間の倍増を提起し、落ち着きのある態度、確かな情操面の成長および読解力の向上等の成果につながる端緒とするとともに、作文指導を充実させることによって、複数の大会において、多数の生徒の受賞や学校賞受賞に導くなど、その実践は高く評価されている。

▼大内拓哉(釧路市春採中教諭)―数学科教育の指導充実の取組

 若手教職員として学校運営への参画意識を高く持ち、校内研修において「生徒自ら学びたくなる授業のあり方」を目指し、授業改善の取組の充実に尽力するとともに、校内の初任段階教員の育成に力を注ぐなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、数学科教育において、生徒が数学的な見方・考え方を働かせて深い学びを実現する授業改善を目指す真摯な取組は他の模範となっており、本道の数学科教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 さらに「釧路市授業マイスター」として、釧路市教委の授業交流サイトで動画配信するなど、数学科教育に関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、各種研究大会で積極的に提言や授業公開を行うなど、その実践は高く評価されている。

 また、生徒指導主事として教職員と連携を図り、生徒へ的確な支援や異学年交流活動等を推進し、生徒の人間関係形成・社会形成能力の育成に努めている。

▼山形慶(函館中部高教諭)―理科教育の指導充実の取組

 高校の理科教諭として、生徒の科学的探究心を育成する実験や実習を多用した授業実践を行うとともに、研修講師として指導内容や指導方法について指導助言を行うなど、他の教員の模範となっている。

 特に、3年度からは、スーパーサイエンスハイスクール研究開発の主担当者として、リーダーシップを発揮し、分掌メンバーや全教職員からの協力を得ながら、北海道大学水産学部や道教育大学函館校との連携を進め、生徒の探究活動の充実を図り、事業の目的である「科学的リテラシーを備え、地域および世界をイノベイトする科学的人材の育成」に取り組んでいる。

 また、複数年にわたり、道教委主催の授業改善セミナーでの教科指導講座スペシャリストを務め、生徒の科学的に探究する力を養う授業実践の普及に取り組み、北海道の理科教員の指導力向上に寄与しており、その活動は高く評価されている。

▼濱中聡志(名寄高教諭)―地歴公民科における授業改善と名寄市内新設校の開設に向けた取組

 地歴公民科教諭として、本校に着任以来、ICTの効果的な活用や「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善に精力的に取り組んでおり、2年度から3年度までの2年間、授業改善セミナー(道北ブロック)における「現代社会」の授業スペシャリストとして自らの授業実践を発表するなど、上川管内や道北地区の地歴公民科教員の授業力向上に貢献している。

 また、公民科担当指導主事による研修等に参加し、校内の授業改善に取り組むほか、3年度から、教務主任を務め、本校のカリキュラム・マネジメントの実現に向けた教育課程の編成・実施や、組織的な授業改善や探究活動の充実を図っている。

 さらに、5年度の名寄市内の単位制新設校の開設に向け、統合推進委員会教務部会長として、建設的な議論を重ねていき、新設校のカリキュラムや教務内規を整備するなど、その活躍は高く評価されている。

▼大淵貴志(紋別高教諭)―道徳教育ならびに地歴公民科教育の指導充実への取組

 元年度から、文部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」における、校内の中核として、単元配列表の作成や活用した授業を行うなど、道徳教育の推進および充実のために尽力している。

 4年度からは、高校における新学習指導要領の実施に伴う新たな共通履修科目「公共」について、研究協議会で積極的に公開授業を実施する等、地歴公民科教諭としての研鑽を深めるだけではなく、オホーツク管内の地理歴史・公民科教育を牽(けん)引する原動力となっている。

 また、教務部副部長として、AIを用いたアセスメントツールを活用し、生徒の資質・能力の検証を行い、生徒一人ひとりの特性に応じた指導体制の構築に努めている。

 絶えず学び続けるその姿勢は、他の若手教師の模範にもなっており、今後の本道教育の充実・発展のためには欠くことのできない人材である。

▼久守勝武(旭川盲教諭)―ICTを活用した視覚障がい教育の指導充実の取組

 特別支援学校教諭として、ICTを活用し教材・教具の工夫をした指導および支援の充実を図っている。

 特に学習指導においては、数学科の担当教員として視覚に障がいのある児童生徒一人ひとりに対して、各自の見え方や実態に応じた「分かる授業」を目指し、先進的な技術を豊富に取り入れアイデアあふれる授業および教材開発を行い、生徒が「できた・分かった」が実感できる授業実践を通して、本道の視覚障がい教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、ICTに関する豊富な知識や探究心を生かし、道内盲学校4校で取り組む「HANDS―ONプロジェクト」で、盲学校中学部生徒を対象とした遠隔授業に取り組み、その成果を全道研究大会で発信するほか、ICTの利活用とその充実に向け、校内教職員に対してICT研修会を企画し講師を務め、授業におけるICT機器の利活用の浸透と校内教職員のスキルの向上に寄与し、先導的な役割を果たしている。

(道・道教委 2023-02-07付)

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