道教委が教育推進計画案報告　完成へ議会で最終審議　ＳＤＧｓ、いじめ防止など新指標

（道・道教委 2023-02-09付）

　道教委は７日の道議会文教委員会で、来年度から始まる新たな道教育推進計画案を報告した。本道の教育課題の解決と地域創生の実現に向けて来年度から本道が目指す教育の全体像を示すもので、ＳＤＧｓ・ＥＳＤ、教科等横断的な学習などの新指標を盛り込んだ。道議会での議論を経て内容を調整・検討し、３月の教育委員会で決定する。

　計画期間は５～９年度の５ヵ年。現行計画の基本理念「自立」「共生」を継承し「子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進」「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」の３本の施策の柱のもと、２２の施策を推進する。道教委の付属機関である道教育推進会議が３年夏から審議を重ね、１月１６日に道教委に答申した。

　各施策項目で示す指標をみると新設の「ＳＤＧｓ・ＥＳＤの推進」では、ＳＤＧｓに関する体験活動に取り組む小・中学校の割合を９年度までに１００％を目指すこととした。

　理数教育を発展させた「ＳＴＥＡＭ教育」の項目では、実社会での問題発見や解決につながる教科等横断的な取組や、地域・大学・行政・民間等と連携・協働した探究学習に取り組む高校の割合をいずれも１００％に設定。

　いじめ防止に向けては、全ての学校で望ましい人間関係の構築に向けたソーシャルスキルトレーニングを複数回実施することを目標に掲げている。

◆計画実効性向上へ　庁内で改善策検討

　道教委は現在、感染症の流行など非常時にも対応する新たな評価方法の見直しを検討している。

　池野敦教育部長は「本道教育を充実・発展させて児童生徒の学びの質を高めるためには、計画に掲げる取組を着実に推進することが必要であり、そのための定期的な点検評価が不可欠」と強調。

　その上で「今後は社会情勢の変化を踏まえ、より実態に沿った評価方法を検討するほか、毎年度実施する点検評価において各項目の進捗状況を指標の達成度などから把握し、各取組の効果や課題を分析するＰＤＣＡサイクルをさらに充実させるとともに、計画の実効性を高めるため新たに庁内で改善策を検討する場を設け、随時取組に反映させることで教育政策のさらなる充実に努めていく」と答弁した。

　赤根広介委員（北海道結志会）の質問に対する答弁。

(道・道教委 2023-02-09付)