フロンティア人材育成成果発表会 縄文文化の愛着深化へ 協力校や函館市教委等が報告 渡島局(道・道教委 2023-02-10付)
【函館発】渡島教育局は6日、渡島フロンティア人材育成事業成果発表会をオンラインで開催した。事業の協力校4校と函館市教委、森町教委が縄文文化への愛着を深めることができる取組の成果を発表。講話では、道教育大学函館校の奥平理准教授が道南地区の観光資源を有効活用した教育活動の可能性について解説するなど、今後の発展的な実践に役立てる機会とした。
縄文文化の継承や活用に向け、各校や管内市町の取組の成果を広く発信することが目的。縄文文化をはじめとした地域資源を活用する探究的な学びを推進するとともに、各地域における取組の充実をねらいに実施した。
発表会には、管内の教育関係者約30人が参加。事業の協力校、函館市立南茅部小学校、尾札部中学校、臼尻中学校、南茅部高校の担当教諭が本年度取り組んだ縄文学習の成果や4校の実践交流会、青森県の視察研修、世界遺産子どもサミットにおける成果を披露した。
縄文応援キャラクター「カックー」の缶バッジ作製に取り組む外部人材を活用した学校独自の取組を発表したほか、学習を進めたり、4校合同の交流会を行ったりする活動を進める中で生徒の「地域に対する愛着心が深まっている」などの成果がアンケート結果でうかがえたことを報告した。
また、北海道・北東北の縄文遺跡群構成遺産、垣ノ島遺跡と大船遺跡を活用し、市内小学校で共通した学習を進める函館市教委と、関連遺産の鷲ノ木遺跡を活用した教育活動を展開している森町教委の担当者が実践を発表。
函館市教委はデジタル社会科副読本や道南歴史文化振興財団による協力のもと実施している遺跡の見学学習を通して、児童が函館の良さを感じ取ることができる学習を進めていることを紹介したほか、垣ノ島遺跡では拡張現実(AR)と仮想現実(VR)を活用して縄文時代の風景を体感できるデジタル技術について情報提供した。
森町教委は静岡県森町の学校とのオンライン交流で、地域のシンボルを説明するための調べ学習で町の魅力を再発見できた成果や道教委の「縄文時代に学ぶ・世界遺産を活用した次世代育成事業」のゲストティーチャーによる授業の様子を発表。児童が楽しみながら地域学習を深めている活動を紹介した。
講話では、道教育大函館校で観光学を専門とする奥平准教授が「縄文をはじめとする地域資源の教育への活用について」と題して、児童生徒の深い学びにつながる取組や地域が協働して世界遺産を盛り上げる活動例を紹介。
観光ガイドの企画力やスキルを学ぶ「観光コンシェルジュ実習」で、学生が函館市内の街歩きガイドを体験した活動についても取り上げた。
社会科の授業における実践については「地域の宝について学ぶ学習は現地で五感に触れる必要がある。探究学習が当たり前になると、新しい地域の魅力が発見できる」などと助言。小学校向けふるさとDVD教材の積極的な活用などを推奨し、地域探究学習の継続と実践的な活動に期待を寄せた。
(道・道教委 2023-02-10付)
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