SDGsセミナーで留萌高生 脱炭素実現へ施策提案 ごみ処理等探究成果発表
(学校 2023-02-10付)

SDGs北海道セミナー留萌高
留萌高生がオンラインで取組を発表した

 留萌高校(阿部穣校長)の生徒たちは8日、SDGs×北海道セミナー2023においてSDGs・ゼロカーボンプロジェクトに関する取組を発表した。留萌教育局が北海道大学と連携して取り組んでいるもの。生徒たちはプラスチックごみの現状や風力発電の可能性について発表するなど探究の成果を広く発信した。

 セミナーは道と北大、JICA北海道が共催で実施したもの。幅広い層へのSDGsの普及・啓発を図ることをねらいとしており、オンラインなどを合わせて約200人が参加した。

 留萌局では、本年度から留萌高校・北海道大学SDGs・ゼロカーボンプロジェクトを実施。生徒たちが探究的な考え方を身に付けて成果を広く発信し、地域におけるSDGsの理解促進、ゼロカーボン実現に向けた地域住民の行動変容につなげることをねらいとした。

 探究のテーマを「風力発電とゼロカーボン」「プラスチックごみが及ぼす影響」の2点に設定。これまで生徒たちは北大での講義のほか、風力発電所やごみの最終処分場のフィールドワークに取り組んでいる。

 今回、同校生徒がセミナーにおいて取組を発表することとなった。

 基調講演のあと、同校生徒がプラスチックごみと風力発電の2テーマに分かれて発表。プラスチックごみについては、プラスチックごみが海に流れマイクロプラスチックになる流れを説明。有害物質を吸着させる特徴があることに触れ、食物連鎖の一環で人間が摂取してしまう危険性を強調した。

 ごみ最終処分場などでのフィールドワークから可燃性埋立ごみにプラスチックごみが多く混ざる現状やごみ袋の中に袋が入る二重袋の問題を紹介。プラスチックごみが土に還るまでペットボトルで約450年かかることに触れ、プラスチックごみを可燃系および不燃系ごみに捨てないことやプラスチック製容器を二重袋で捨てないことを求めた。

 風力発電については、北大での講義や風力発電所でのフィールドワークに取り組んだことを報告。風力発電のメリットやデメリットのほか、様々な風力発電があることを紹介した。

 また、送電線の関係から蓄電と運搬に課題があることを説明。解決策として電気を水素へ変換して貯蓄・運搬する水素サプライチェーンの有用性を示した。

 ゼロカーボンを目指す上で留萌管内に適した風力発電として、留萌市では洋上風力発電、苫前町では大型風力発電と水素蓄電を組み合わせたものを提案。適切な場所で適切な風力発電施設の必要性を強調した。

 また会場から、2テーマを調査した一番の発見や驚きに関する質問が挙がり、生徒たちは「フィールドワークを通して発見した課題を通じて知らなかった地元の現状を知り、(解決策を)提案することで密接に関わることができたのがとても良い経験だった」「送電線が足りないことで風車を増やせないことや、電気を電気のまま運べないから水素に変換して電気を運ぶことなどに驚いた」と回答した。

 このほか、北大大学院生がSDGsに貢献する研究について、JICA北海道の職員が青年海外協力隊の経験を生かした地方でのSDGs展開についてそれぞれ取組を発表した。

 このあと、「私たちの取組がつながる持続可能な未来に向けて」をテーマにパネルディスカッションを実施。パネラーとして講演した阿座上陽平氏や同校生徒、北大大学院生、JICA北海道の職員が参加した。

(学校 2023-02-10付)

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