ゼロカーボン実現へ特支6校 探究活動の成果を披露 多彩なアイデアや実践を共有
(道・道教委 2023-02-27付)

 道教委は22日、S―TEAM教育推進事業「社会との共創」推進プロジェクト特別支援学校成果発表会を開催した。道立特別支援学校6校の生徒たちがゼロカーボン実現に向けた探究学習の成果を発表。雪氷熱を利用した簡易冷房の設置やコーヒー殻の再利用など様々なアイデアや実践を披露した。

 道教委は実社会での問題発見・解決に生かしていく教科等横断的な教育を推進するため、4~6年度の3ヵ年計画でS―TEAM教育推進事業に取り組んでいる。柱の一つ「社会との共創」推進プロジェクトでは特別支援学校6校が実社会における課題解決に向けた探究活動を推進している。

 はじめに函館高等支援学校の生徒たちは、二酸化炭素排出量の削減へ、カフェ運営で生じる「コーヒーがら」を再利用するアイデアを発表。新聞紙を使ったエコバッグ作製などプラスチックごみの削減に向けた実践を伝え「資源を大切にする考えが、学校から函館市、北海道、日本や世界に広がれば」と期待した。

 つぎに中札内高等養護学校が温室効果ガスに関する事前学習や電気・燃料の使用量削減を図る中札内村の取組を発表。釧路鶴野支援学校の生徒たちは地域の自然を紹介する学校祭の企画を通して動植物への理解の深まりや学習意欲の向上につながったと報告。次年度予定している環境保護活動に向けた意欲を示した。

 紋別高等養護学校は地球温暖化と流氷の関係性や紋別市における取組について学習の成果を発表。札幌あいの里高等支援学校は道民全体に節電の重要性を発信する試みなどを踏まえ「社会の一員として、できる範囲で省エネやエコに取り組む必要がある。ゼロカーボンは意識改革」と訴えた。

 旭川高等支援学校は冬の残雪を利用した簡易冷蔵庫やクーラーの設置に3ヵ年計画で挑戦。数学や理科で培った知識をもとにより高い断熱効果を研究し、農家から提供を受けた600袋のもみ殻で雪の保存に取り組んでいるとし、今後冷気を送る小型換気扇の製作に取りかかることを伝えた。

 最後に高校教育課の古御堂徹課長補佐らが講評。過去の知識・実践を結び付けた学びなど各校の取組をたたえ、探究学習の発展や地域・関係機関との連携に期待を寄せた。

 発表校のうち代表校1校は、3月11日に北海道大学で行われる探究チャレンジ北海道に出場。全道から選ばれた高校生たちと共に発表に臨む。

(道・道教委 2023-02-27付)

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