日高局 管内教育実践表彰 3団体1個人に栄誉 出口組などの功績たたえる(道・道教委 2023-02-24付)
出口組はたらくクルマ写生会
【苫小牧発】日高教育局は、管内教育実践表彰の受賞者を決定した。地域に根差した土木体験学習を実施している(株)出口組(新ひだか)をはじめ、えりも町立庶野小学校、静内農業高校の3団体と、優れた授業改善を行った静内高校の鴇田あい教諭の1個人が受賞した。各種大会で顕著な成績を収めた児童生徒に贈る「特別賞」は6団体・10個人が受賞。教育実践表彰受賞者には行徳義朗局長が学校等を訪問し表彰式を実施する。受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
教育実践表彰
【団体】
▼(株)出口組(新ひだか町、出口直沖社長)
昭和28年5月に会社設立以降、地域の活性化に貢献し、平成24年9月から「家庭教育サポート企業等制度」を締結し、家庭教育の一層の充実を図るため、地域行事への協力・支援や「道民家庭の日」の普及等に努めている。
また、平成24年度から11年間、地域に根差した土木体験学習として、静内小学校の児童を対象に「はたらくクルマの写生会」「土木体験学習」「環境学習」を実施している。
6年生を対象にした「環境学習」では電力と温室効果ガスの関係などを理科の学習と関連付けて、児童に節電や環境保全への興味・関心を深める機会を提供している。
さらに、学校グラウンドの転圧作業などの整備や、同社で保有するドローンを活用し、学校行事へ協力している。
▼えりも町立庶野小学校(杉山一彦校長)
長年にわたり、学校の教育目標「かしこく(確かな学力)、あかるく(豊かな心)、たくましく(健やかな体)」の育成を目指し、重点目標を「自ら課題を見つけ、考え、共に行動して解決しながら自己実現をめざす児童の育成」に努めている。
特に育成を目指す資質・能力を、基礎的リテラシー(何を理解しているか、できるか)、認知的スキル(理解していること、できることをどう使うか)、社会的スキル(学びを人生や社会にどう生かすか)として実践している。
豊かな心の育成では、郷土の自然・文化に触れる砂浜ビーチコーミングや、百人浜・豊似湖周辺の動植物の観察、地域の文化・歴史を学ぶ地域体験学習を通して、えりも・庶野を知り、地域に誇りを持ち大切に思う気持ちを育てている。
さらに、地域住民を講師として招き、地域の水産体験学習として「フノリの養殖」に取り組むなど、体験を通して庶野の海の豊かな水産資源を守っていく大切さを学んでいる。
▼静内農業高校(佐藤裕二校長)
3年度から5年度までの3年間、文部科学省「マイスター・ハイスクール事業」指定校として、地域の産業界(JA、JRA等)や自治体(新ひだか町、道農政部等)と連携・協働し、地域産業の持続的発展をけん引できる人材の育成に向けた様々な取組を行っている。
事業2年目となる本年度は、学科食品科学科・生産科学科の2つの学科やコースの特性に応じて、高度熟練技能者による指導を通じて、専門的な知識や技能を身に付けるとともに、前年度の学習活動で発見した地域産業の課題を合理的かつ創造的に解決する力を育成することを目指し、つぎの4つの特徴的な取組を行った。
1つ目は、科目「課題研究」等において、生徒による全てのグループが企業等と連携し「計画」「中間」および「まとめ」について、数回にわたって連携先から指導助言を受け、地域課題の解決に向けた取組を行った。
2つ目は、食品科学科の科目「デュアル派遣実習」において、夏季休業期間中の3日間程度、管外の大手企業4社で実習を行った。
3つ目は英語教育の充実に向け、6月27日から7月3日までの1週間、フランスからの留学生2人を受け入れ、教科・科目の授業や学校行事等において様々な交流活動を行った。
4つ目は、スマート農業の学習内容を深めるため、同校、津別町の農家およびNTTドコモ東北支社の3ヵ所をオンライでつないだ講演事業を実施した。
【個人】
▼鴇田あい(静内高校教諭)
国語科教諭として優れた専門性を有し、同校の授業改善に力を尽くすとともに、2年度には道高校「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」アドバンスト学習キャンプ(道南ブロック国語)」運営者、2年度から3年度に道高校「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」学力テスト開発委員を務め、4年4月には「高等学校北海道版『現代の国語』『言語文化』言語活動単元案集」を協同執筆しており、勤務校だけではなく、管内、道南圏域および全道の国語教育の充実・発展に大きく貢献している。
また「総合的な探究の時間」の主担当として、3年間の指導計画の立案や地域の関係機関との連絡調整、授業実践および実践成果のまとめなど、年次団において中心的な役割を果たしている。
さらに、3年度道高校「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」における「探究活動キャンプ」に参加し「さくらいん新ひだか~町を美術館に」をテーマとした静内高の生徒の探究活動である町の魅力発信に向けたシャッターアートの制作の充実に向け、積極的に指導助言を行った。
その結果、4年3月に開催された「高校生探究サミット」(成果発表会)において、最高賞である「北海道知事賞」を受賞する成果を上げた。
えりも町庶野小 地域の自然を学ぶ豊似湖学習
出口組 はたらくクルマ写生会
静内農業高 馬コースで仏留学生と模擬セリ
探究サミットでの鴇田教諭(右から2人目)
特別賞
【団体】
▼三石翔武館
第37回北海道スポーツ少年団剣道交流大会団体優勝。
▼浦河町立浦河第二中学校・様似町立様似中学校野球部
4年度道中学校体育大会第73回道中学校軟式野球大会準優勝。
▼浦河高校馬術部
第56回全日本高校馬術競技大会団体戦準優勝。
▼静内高校書道部
第31回国際高校生選抜書展(書の甲子園)北海道地区優秀賞。
▼静内農業高校馬術部
第56回全日本高校馬術競技大会北海道地区団体戦優勝。
▼静内農業高校3年農産加工研究班
おにぎりアイディアコンテスト2022大賞。
【個人】
▼加治屋秀星(日高町立富川小5年)
2022第6回『小学生クルマのある風景』フォトコンテスト最優秀賞。
▼八嶋駿吏(日高町立門別小4年)
第25回極カップ春の陣道空手道選手権大会小学4年男子32㌔未満の部優勝。
▼川上夢太(平取町立平取中2年)
4年度道中学校体育大会第43回道中学校剣道大会男子個人優勝。
▼澁谷菜帆(新冠町立新冠中3年)
第24回江差追分少年全国大会第2位。
▼池田美咲(新ひだか町立三石小6年)
第46回道道場少年剣道大会兼全国大会予選個人戦(小学生女子の部)準優勝。
▼米川虎汰郎(浦河町立堺町小6年)
第20回世界ジュニア記念道小・中学生スピードスケート競技大会小学校6年生男子500㍍優勝。
▼寶金楓夏(えりも高3年)
4年度野鳥絵画展(高校の部)金賞。
▼本間駿名(静内高2年)
第33回全日本高校馬術選手権大会個人戦優勝。
▼長田姫奈(静内高2年)
第75回道高校陸上競技選手権大会兼秩父宮賜杯第75回全国高校陸上競技対校選手権大会北海道予選会女子ハンマー投優勝。
▼米澤望海(静内農業高3年)
4年度日本学校農業クラブ連盟第42回全道意見発表大会分野Ⅲ類優秀賞。
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