道 縄文世界遺産の拠点機能在り方案 教育など7項目柱に 道研講座での教員研修盛る
(道・道教委 2023-02-24付)

 道環境生活部は、縄文世界遺産の拠点機能の在り方案をまとめた。北海道・北東北の縄文遺跡群がユネスコ世界文化遺産に登録されたことを受け、世界遺産の保全・保護、資産の価値に関する必要な機能を整理。「保全」「教育」「普及」など7項目を柱に、道立教育研究所等と連携した教員研修の実施、学校教育との連携による教育効果の強化などを挙げた。

 3年7月、北海道・北東北の縄文遺跡群がユネスコ世界文化遺産に登録された。道では、遺跡群の保存と活用を図るために必要な受け入れ体制の充実や情報発信に取り組むため、本道における拠点機能の必要性やその在り方について検討を進めてきた。

 案では、拠点に必要と考えられる機能に「保全」「教育」「普及」「情報発信」「誘客」「交流」「研究」の7項目を整理した。

 教育機能については「ユネスコの理念および顕著な普遍的価値(OUV)についての理解を深め、世界遺産を次世代へ継承する人材を育成するための機能」と設定。本道の状況に合わせて①教育プログラムの開発と実施②関係機関との連携による教育効果の強化③地域社会への貢献に向けた教育―の3点を盛り込んだ。

 機能を実現するための手法の一例として―

▽持続可能な開発のための教育と世界遺産教育の関係を体系化し、本道の文化や風土を踏まえ、子どもから大人までの様々な対象に応じた教育プログラムを開発する

▽道立教育研究所等で研修講座を位置付けた上での指導者育成および学校教育、博物館等の社会教育施設との連携や教育旅行での活用を図る

▽資産のOUVおよび現代的な意義について、統一した方針のもと、各地域での教育・普及活動およびキャパシティ・ビルディングなど、地域の人材育成を推進する

 ―を挙げた。

 機能実現のための組織体制については、遊休施設の活用や各市町のガイダンス施設との連携による機能の分散を挙げ、連携体制を適切かつ円滑に確保するための総合調整機能の役割が重要とした。運営体制では、民間連携(PPP)の活用を示した。

 今後は、交通インフラや地域的特性、既存施設等との連携、機能実現に必要なフィールド確保などの視点を踏まえて検討するとした。

(道・道教委 2023-02-24付)

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