道教委が新研修制度説明会 「受講奨励」開始へ全体像 個別最適・協働的 学びで研修観転換を
(道・道教委 2023-02-22付)

 道教委は20日、市町村教育委員会を対象とした「新たな研修制度」の説明会をオンラインで開催した。記録する研修履歴の範囲・内容や留意点など現段階における「対話に基づく受講奨励」の仕組みの全体像を解説。学校現場への制度周知に向けて協力を要請した。道内約100市町村の教育委員会関係者が参加し、次年度への円滑な制度実施に向け理解を深めた。

 教員免許更新制の発展的解消に伴い、4月から新たな研修制度が開始。道教委は教員の資質・能力の目標である教員育成指標の改訂とともに「研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励」の仕組みの構築に向け準備を進めている。

 開会に当たり和田宏一教職員育成課長は「新たな研修制度」の趣旨について「教員免許更新講習に替わる新しい研修を義務付けるものではなく、個々の教員が自ら必要となる資質・能力を高めていくため、これまで以上に主体的に学び続けることができる仕組みの構築を目指すもの」と説明。個別最適な学びと協働的な学びを通じた教員自身の研修観の転換の重要性を強調し、全ての子どもの可能性を引き出す学校教育の実現に向け協力を呼びかけた。

 つぎに教員育成指標の改訂案や「研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励」の仕組みの概要を説明。「受講奨励は教員の意向を十分にくみ取って行うものであること」「研修履歴の記録は受講奨励のために活用し、人事管理やその他の目的のための活用は行わないこと」などの留意点を示した。

 研修履歴を記録する対象教員等は札幌市を除く全道の公立学校に勤務する校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師。

 研修履歴の記録範囲も示し、道教委が把握できる研修は道教委、市町村教委独自の研修は市町村教委がそれぞれ記録。自己研鑚として行った研修や校内研修等で本人が必要と認めた研修のみ教員が自ら記録する。

 研修履歴は道教委が今後提供する道独自の電子ファイルによって記録するが、6年度の導入が予定されている国の研修受講履歴記録システムの開発を見据え、電子ファイルによる記録作業は5年度に限定する予定。道教委が記録した研修履歴は8月と2月の年2回、道立学校や市町村教委に提供する見通し。

 受講奨励の留意点も解説し「人事評価制度との趣旨の違いを踏まえ、研修内容や研修量そのものを人事評価の対象としないこと」「少数配置の教員や校長の専門外の教科担当教員に対しては近隣校や教育関係団体等と連携して指導助言の充実を図ること」を示した。

 また、受講奨励の年間スケジュール例も示し、参考とするよう呼びかけた。

 道教委は今後、説明会の動画をユーチューブで配信するほか「新たな研修制度」の具体的な内容をまとめた手引やQ&Aを作成して3月下旬に関係者に周知する予定。また、5年度北海道教職員研修計画にも制度の詳細を盛り込む。

(道・道教委 2023-02-22付)

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