マイスター・ハイスクール運営委 地域産業の持続的発展へ 厚岸翔洋高 取組成果報告
(道・道教委 2023-02-22付)

マイスターハイスクール運営委
マイスターハイスクール運営委員会

 【釧路発】道教委は7日、厚岸翔洋高校(福田雅人校長)で第3回マイスター・ハイスクール運営委員会を開催した=写真=。スマート水産業の発展や地域産業の持続化などを目的として行った活動を関係者に報告。倉本博史教育長は未利用・低利用漁の有効活用、商品開発など取組のさらなる発展に期待を寄せた。

 同校は本年度から文部科学省のマイスター・ハイスクール事業の研究校として指定。IT技術を活用したスマート水産業の実践などを通じて、持続可能な地域の水産業の創り手(マリン・イノベーター)の育成を目指す取組を進めている。

 この日、運営委員長を務める若狭靖厚岸町長、厚岸漁業協同組合などの代表者ら委員8人が出席した。このほか、取組の統括役を担うマイスター・ハイスクール事業推進委員会CEOの和田雅昭公立はこだて未来大学教授らが参加した。

 開会に当たり、若狭町長があいさつ。「事業初年度であることしは目標に向かって歩みを進めた内容の濃い1年である」と述べるとともに、活動報告を生徒の生の声で聞けることを楽しみにしていると期待を寄せた。

引き続き同校海洋資源科2年生による本年度の活動報告が行われた。厚岸沿岸海況のモニタリング調査や和田CEOによるスマート水産業に関する出前授業、ことし9月に町内で開かれる全国豊かな海づくり大会の公式弁当メニューの開発などの活動について報告した。

 また、同科3年生の平井秀太さんと箭内廉三さんは課題研究の成果を報告。2人は未利用資源の有効活用法として「アメマスの揚げかまぼこ」などの商品開発に取り組んでいる。今後、商品化を視野に地元企業等と連携しながらレシピについて模索していくことを示した。

 このほか生徒を対象に行った事業に関するアンケート結果について福田校長が報告。卒業後に漁業や調理など地域の主要産業への就職・進学内定者の割合が前回アンケート時より25%向上したことを示した。一方で、地域課題の発見・解決や地域貢献に向けた意識向上を課題として挙げた。

 説明後、倉本教育長は「未利用・低利用漁の有効活用法について引き続き模索してほしい」と述べるとともに「学校外部の方々と協働して今後も消費者視点を大切にした商品開発を継続してもらいたい」と話した。

 また、和田CEOは来年度の活動に向けて「将来像の共有や生徒の家業など具体的なテーマを設定していくことで、生徒の好奇心をより引き出していければ」と話した。

 最後に、福田校長は「引き続き地域漁業者と連携し、漁業・食・観光などの地域産業の持続的な成長の創り手の育成を目指した各取組を進めていく」と述べた。

(道・道教委 2023-02-22付)

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