道高教組が第125回定期大会 給特法改正、教職員定数増へ 尾張委員長 結束呼びかける(関係団体 2023-03-15付)
道高教組(尾張聡中央執行委員長)は4、5日、札幌市内のホテルライフォート札幌で第125回定期大会を開いた。大会の初日に尾張中央執行委員長は、教職員の専門性の担保と活力のある仕事や生活を送ることができるよう適正な労働条件が保障される必要性を強調し、「そのための給特法改正、教職員定数増が今後大きな焦点。当事者である私たちの声を束ねよう」と結束を呼びかけた。
対面・オンラインを組み合わせたハイブリッド開催で会場地に参集しての開催は3年ぶりとなり、対面の場で討論を深めた。
尾張委員長のあいさつに続き2022年度の運動を総括。長期化するコロナ禍による学校現場への影響や教員不足の深刻化、長時間労働是正に向けた取組を振り返った。
つぎに2023年度運動方針を決定。運動の基調には「職場での対話から要求を練り上げ、要求を実現する道筋を明らかにする教職員組合の役割を発揮する」など6点を掲げ、教職員の長時間労働解消に向けて給特法改正と教職員の大幅増を求める運動を拡大する方向性を確認した。
道高教組第125回定期大会における、尾張聡中央執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。
いま、学校現場には、実に多岐わたる課題が降り注ぎ、その対応で多忙化に拍車がかかっている。議案の中では「教育政策の破綻が学校現場を苦しめる」として、つぎのように記述している。
「一見もっともらしく見える政策目標を掲げながら、それに向けた“先進事例”は示すものの、実行する予算や手だては、自治体や学校に“丸投げ”する政策が横行している」学校現場の実感なのではないか。一見もっともらしく見える政策目標そのものを問う必要がある。
例えば、GIGAスクール構想のもとで展開される教育DXが、目の前の子どもや青年の成長のためのものなのか。私たち自身が日々子ども・青年と向き合っている教育の専門家として問う必要がある。
私たちが大切にしてきた教職員の専門性とは、専門家として研修と修養を積む責任とともに、47教育基本法が教育は国民に対して直接責任を負って行われるとした直接責任性を明記していたことに大事なポイントがあると考える。
別の言い方をすれば、私たちは、行政の末端として、政策の遂行のために教育を行っているわけではないということ。
新年度から、教員免許更新制にかわる新たな研修制度が持ち込まれれるが研修を管理しようとすることは、こうした教職員の専門性への攻撃でもある。日々子ども・青年と向き合っている教育の専門家として、自主的な研修を守り、発展させよう。
「教職員の専門性」の問題は、深刻な長時間過密労働を解決するためにも重要な論点。全教が前年実施した「教職員勤務実態調査2022」は、時間外勤務の合計が1ヵ月92時間34分で、平均値が過労死ラインを超える深刻な実態を明らかにした。
長時間過密労働解消のためには「教職員の数を増やす」ことを求める声が89・7%と断然トップとなっている。
「教職員の専門性」を担保するためにも、教職員がいきいきと働き生活するためにも、適正な労働条件が保障される必要があり、そのための給特法改正、教職員定数増が、今後大きな焦点となる。当事者である私たちの声を束ねよう。
政策的に職場の分断が持ち込まれている教育現場において、職場でのコミュニケーションを深めることが求められる。
また、組合員同士の日常的な「声かけ」「つながり合い」を大切にし、困っている仲間を助けあう分会づくりを目指そう。組合の役割を知ってもらい、加入の呼びかけを強めよう。
支部・分会活動での苦労も苦労も多いと思うが、握って離すことができないのがつながる、配る、声をあげる活動を通して、高教組活動を「見える化」すること。
歴史の岐路に立っていると言える今、「流れに身を任せる」訳にはいかない。 歴史は権力と運動のせめぎ合いで進んできた。そこに私たちが運動に取り組む根本的な意味があるのではないか。
大会成功のために、大会諸役員・代議員のみなさんの奮闘を呼びかけて、あいさつとする。
◆尾張委員長を再任
道高教組第125回定期大会では、本部役員選挙を行い、2023年度役員を決めた。尾張聡中央執行委員長を再任したほか、恵庭北高校の道端剛樹教諭を新書記長に選出した。
23年度役員はつぎのとおり。=敬称略=
▽中央執行委員長=尾張聡(本部)
▽中央執行副委員長=飯塚正樹(江別高定時制)、菱木淳一(夕張高等養護)―新
▽書記長=道端剛樹(恵庭北高)―新
▽書記次長=亀谷学(遠軽高)―新
▽中央執行委員=米家直子(池田高)―新、更科ひかり(本部)、波岡知朗(本部・全教)、三田村祐二(白樺高等養護)
▽実習教員部長=相馬浩明(富良野緑峰高)―新
▽女性部長=小郷愛(伊達高等養護)
▽定通部長=土岐剛史(有朋高)
▽青年部長=阿部ちなみ(虻田高)―新
▽障害児学校部長=武藤素子(手稲養護三角山分校)
▽養護教員部長=本間康子(札幌琴似工業高)―新
▽会計監査委員=池田理(札幌南高)、倉部静雄(岩見沢緑陵高)、鈴木孝幸(奈井江商業高)
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尾張聡中央執行委員長
(関係団体 2023-03-15付)
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