【解説】いじめ起因事件 増加続く
(解説 2023-03-15付)

 警察庁は令和4年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況をまとめた。いじめに起因する事件は前年比26・6%増の176件と2年連続で増加。うちインターネットを利用したいじめが20件あり、内容は「児童売春・児童ポルノ」が11件だった。

 刑法犯少年の検挙人数は0・4%増の1万4887人。

 薬物事犯では8年連続で増加していた大麻乱用による検挙人数が8・2%減の912人と減少に転じた一方、麻薬等の乱用による検挙人数が26・1%増の58人と増加した。

 校内暴力事件の検挙・補導人数は1・0%増の593人とやや増加したが、教師に対する暴力事件は10・7%減の175人と減少。

 いじめに起因する事件の罪種別内訳は「暴行」が68件、「傷害」が40件、「児童売春・児童ポルノ」が17件、「脅迫」が9件、「器物損壊」「窃盗」「侮辱」がいずれも6件、「恐喝」が5件、「強制わいせつ」が4件など。検挙・補導人員は214人で、内訳は小学生が34・5%、中学生が38・5%、高校生が26・9%。

 被害者の93・4%が誰かに相談しており、相談相手(複数回答)は「保護者」が41・5%、「学校の先生」が27・1%、「警察等の相談機関」が11・3%と続いた。

 児童売春などで被害に遭った児童生徒数は2・9%減の1461人と減少したが、児童が自らを撮影した画像によって被害に遭った児童生徒数は12・2%増の577人と増加。高校生で減少した反面、小学生が36・9%増の63人、中学生が22・4%増の295人と増加傾向にある。

 SNSに起因する事犯の被害児童生徒数は4・4%減の1732人で、このうち小学生が37・3%増の114人と増加している。被害児童生徒のフィルタリング利用率は0・4ポイント下降し11・9%となった。

(解説 2023-03-15付)

その他の記事( 解説)

【解説】大学就職内定率 90・9%

 文部科学省と厚生労働省は4年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(2月1日現在)を公表した。大学、短大、高専、専修学校(専門課程)の就職内定率は、前年度同期と比べ1・1ポイント増の90・8...

(2023-03-23)  全て読む

学校侵入防止対策を強化

 1日に埼玉県戸田市の中学校で刃物を持った高校生が校内に侵入して教員を切りつける事件が発生。これを受けて永岡桂子文部科学大臣は17日の記者会見で、不審者による学校侵入防止対策の強化に取り組む...

(2023-03-22)  全て読む

【解説】消費者教育でトラブル予防

 デジタル取引の利用頻度や受講した授業の実施方法によって、高校生の消費者トラブルの経験有無に違いがあることが、消費者庁が徳島県内の高校等の生徒・教員を対象に実施した消費者トラブルの実態と消費...

(2023-03-20)  全て読む

【解説】企業の指導者派遣 4割が可能

 道教委は「民間企業等との連携体制の構築に係るアンケート」の調査結果をまとめた。自治体や地域スポーツクラブへの指導者派遣について「条件付きで可能」と回答した企業は4割。謝金、交通費、指導種目...

(2023-03-17)  全て読む

【解説】共生教育推進へモデル事業

 通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議は13日、検討会議の報告を取りまとめた。障がいのある児童生徒へのより効果的な支援や、障がいのある子どもとない子どもが...

(2023-03-16)  全て読む

【解説】栄養教諭配置 食育指導に効果

 文部科学省は3年度栄養教諭の実態に関する調査研究報告書を公表した。全国の栄養教諭の配置率は10年前の33・7%から61・0%と大きく上昇。最高は北海道の99・7%、最低は東京都の5・5%と...

(2023-03-14)  全て読む

【解説】令和4年 子どもに対する前兆事案

 声かけ行為やつきまといなど子どもに対する前兆事案の4年認知件数は348件となり、平成29年の1054件から3分の1にまで減少していることが道警の調査で分かった。発生場所は道路(歩道)上が7...

(2023-03-13)  全て読む

【解説】緊急対策を 事故原因報告書

 教室の窓から転落するなど小・中学校での死傷事故が相次いでいることを受け、消費者庁の消費者安全調査委員会は、事故原因などを分析した調査報告書を取りまとめた。事故原因の一つとして「実効性のある...

(2023-03-10)  全て読む

【解説】教職員団体加入率29・2%

 文部科学省は、4年度教職員団体への加入状況に関する調査結果を公表した。教職員団体全体の加入率は前年度比1・2ポイント減の29・2%となり47年連続で低下。新採用教職員の加入率も0・5ポイン...

(2023-03-09)  全て読む

【解説】令和4年の道内犯罪情勢

 道警の発表によると、刑法犯の道内認知件数は平成25年の4万1066件から減少傾向にあるものの、令和4年は前年比1175件増の1万9604件と増加に転じた。検挙率は7・8ポイント減の48・6...

(2023-03-08)  全て読む