学校侵入防止対策を強化

（解説 2023-03-22付）

　１日に埼玉県戸田市の中学校で刃物を持った高校生が校内に侵入して教員を切りつける事件が発生。これを受けて永岡桂子文部科学大臣は１７日の記者会見で、不審者による学校侵入防止対策の強化に取り組む考えを示した。各学校設置者において危機管理マニュアルの総点検を行うほか、校門等の施錠管理を支援するオートロックシステムを整備する国の補助事業を拡充し、全国の学校設置者に活用を呼びかける。

　不審者の学校侵入事件は過去にも数回発生しており、平成１７年には大阪府の小学校で当時１７歳の卒業生の少年が学校に侵入して教職員３人を殺傷する事案が発生している。

　今回の事案で文科省は１７日付で全国の学校設置者に事務連絡を送付しており、学校における不審者侵入防止策として①学校の危機管理マニュアルへの不審者侵入防止策の記載内容の確認・実施の徹底②不審者侵入時の対応方法等に関する教職員等の対応能力の強化③地域ぐるみでの学校防犯活動の強化④警察署などに配置されるスクールサポーター等を通じた警察との連携⑤学校・警察連絡員の指定の徹底と情報共有体制の整備―を挙げ、平時の備えを確認して地域や警察との連携強化などの見守りの強化を求めている。

　文科省の特設ホームページ「文部科学省×学校安全」では、国や都道府県などで実施している取組やこれまでに作成した資料などを掲載しており活用を呼びかけている。１７日には学校への不審者の防止と対応に関するページを作成。校門・校舎入り口の管理などの日常管理や事務連絡を公開している。

　文科省が設置する学校安全の推進に関する有識者会議はきょう２２日の会議で、不審者の侵入事案を受けた学校安全の確保に向けた対策について協議する予定。

(解説 2023-03-22付)