【解説】医療的ケア児保護者の声
(解説 2023-03-28付)

 道教委が実施した学校の医療的ケアに関するアンケート調査によると、登下校時の負担軽減や看護師配置の充実など、医療的ケア児の保護者の多様な教育的ニーズが明らかになった。

 調査は道立学校や市町村立学校に在籍する医療的ケア児の保護者161件の回答を集計。調査時点はことし1、2月。

 居住地の管内は石狩(札幌市を含む)が55%と過半数を占め、上川の14%、十勝の9%と続いた。所属は道立特別支援学校が54%、市町村立の小学校等が29%、札幌市立の特別支援学校が8%など。

 医療的ケアの内容は胃ろうなどの「経管栄養」が27・9%、喀痰吸引が20・3%と比較的多い一方、人工呼吸器による呼吸管理や導尿など多岐にわたる。

 医療的ケアに関する相談対象(複数回答)は学級担任が21・5%、医療的ケア看護職員が19・5%、管理職が11・7%の順に多い。

 登下校の手段は自家用車が最も多く、登校時が60・1%、下校時が36・9%。福祉事業所の利用は登校時が0・7%、下校時が34・2%と差がある。

 市町村における送迎の福祉制度を利用していると回答した割合は登校時が9・3%、下校時が52・9%。一方、「知らない・よく分からない」と回答した保護者が登校時が40・2%と多く、道教委は道保健福祉部局と連携して各市町村に対する情報提供の一層の充実を図るとともに、相談を受けることが多い学級担任や医療的ケア看護職員に対する情報提供の機会の拡充が必要としている。

 自由記述の記載内容を分類・集計した結果、最も多かった要望が「登下校時の負担軽減」で19・0%。つぎに「看護師配置の充実」「校外学習・宿泊学習時の対応」などと続く。学校等への感謝の言葉も多く寄せられた。

(解説 2023-03-28付)

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