【解説】文科省　不登校対策プラン

（解説 2023-04-04付）

　文部科学省は３月３１日、不登校対策の今後の取組を整理した「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策“ＣＯＣＯＬＯプラン”」をまとめた。今後、文部科学大臣を本部長とする推進本部を省内に設置。こども家庭庁などと連携して取組を実行する。

　小・中・高における３年度の不登校児童生徒数は２９万６０００人と過去最多を記録。９０日以上の不登校で学校内外の専門機関の相談・指導を受けていない小中学生は４万６０００人と増加している。

　プランでは目指す姿として「すべての児童生徒の学びの場の確保」「不登校になる前のチーム学校による支援」「学校風土の見える化」を掲げ、主な施策を整理。現時点で２１校の不登校特例校を３００校（分散室型を含む）まで拡大。子どもたちの目線に立つふさわしい名となるよう改称する方針を示した。

　また、落ち着いた空間で学習や生活を行うため、校内教育支援センター（スペシャルサポートルーム等）の設置促進を図るほか、オンラインで学級と接続してテストや指導を受けられ、結果を成績に反映される体制を整備するとした。

　教育支援センターの機能強化に向けては、業務委託や人事交流を通しＮＰＯやフリースクールとの連携を強化するほか、こちらも在籍校とオンラインで指導やテストを受けられる体制を整備。不登校の未然防止を図るため、端末を活用して変化の早期発見を推進するとともに、チーム学校による早期支援や保護者支援を盛り込んだ。

　３月３１日の記者会見で永岡桂子文科大臣は、取組の実効性を高めるため調査の見直しや学校における働き方改革の推進を併せて進める意向を示し「学びにつながることができない子どもをゼロにすることを目指したい」と述べた。

(解説 2023-04-04付)