【解説】体験活動 非認知能力に好影響
(解説 2023-03-31付)

 小学校高学年時期における各種体験活動の経験が、その後の非認知能力等に良い影響を及ぼす可能性があることが、文部科学省の21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)特別報告の結果で明らかになった。

 調査は、平成13年に出生した子の実態および経年変化の状況を継続的に観察することで、教育に関する国の諸施策を検討・立案するための基礎資料を得るために実施しているもの。

 全国の13年に出生した子どものうち、1月10~17日の間に出生した子(1月生)、7月10~17日の間に出生した子(7月生)を対象としている。

 調査結果をみると「保護者の学校関与」について、母親、父親のいずれも小学校1年生段階で参加度合いの高い場合の方が小学校高学年や中学校の段階で「学校適応」の度合いが高い傾向となっている。

 また、小学校1年生段階で近所の人が子育てに協力してくれる場合や遊ぶ友達の人数が多い方が小学校4年生段階で「学校適応」の度合いが高い傾向に。

 文科省は「保護者の学校関与を高める取組や、放課後等に子どもたちが異年齢を含む多様な相手と交流できる場を提供することが重要」と分析している。

 学童期の体験活動とその後の非認知能力等に関する分析では、小学校高学年の時期における各種の体験活動の経験について、その後の非認知能力等に関して良い影響を及ぼす可能性があることが分かった。

 具体的には、小学校6年生時点で「自然体験」や「文化的体験」を経験することについて、20歳までの時点における「自尊感情」「精神的回復力」「我慢強さ」「精神的健康」のいずれもプラスの効果が見られた。

 文科省は「引き続き調査を継続し、縦断データのさらなる整備・分析を行っていく」としている。

(解説 2023-03-31付)

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