道教委 学力・体力向上推進会議 地域性生かした教育充実を AI教材 家庭学習定着に効果
(道・道教委 2023-03-29付)

学力・体力向上推進会議
学力・体力向上推進会議

 道教委は23日、学力・体力向上推進会議をオンラインで開催した=写真=。道内の市町村教育委員会や校長会などの関係者約20人が参加し、本道児童生徒の学力・体力向上、望ましい生活習慣等の確立に向けた効果的な取組について協議。家庭学習の定着に向けたAI教材の活用など道内各地の実践事例を共有した。有識者からは、北海道の地域性を生かした教育の充実や、地域の中核となる教員の実践を広める重要性が示された。

 開会に当たり堀本厚学校教育局長は、4年度全国学力・学習状況等調査の小学校全教科、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の小学校男女で全国平均との差が縮小して改善傾向が見られるとし「各市町村教委、学校の取組の着実な推進が一定の成果として表れている」と強調。

 一方、体力調査では中学校の男女で全国平均との差が広がるなどの課題に触れ、ICTを効果的に活用した授業改善、家庭・地域と連携した望ましい生活・学習・運動習慣の確立、小中高12年間を見通した取組を一層進める考えを示した。

 意見交換で道小学校長会の渡邉均事務局次長は、各種調査結果の分析・活用が改善に結び付かない一因として「組織的な取組の不足」を挙げ「大まかな学習規律や指導過程の統一について共通理解を図る必要がある。地域の学校間連携を進め、道教委の学校訪問や教育指導をこれまで以上に有効に活用することが大切」と意見した。

 道中学校長会の河村克也対策部副部長は、AIドリルの活用や持ち帰りを自己判断・決定する「置く勉」など岩見沢市における実践事例を紹介。端末の利用が授業改善や教職員の負担軽減に大きく寄与する一方、各市町村の端末のOSが異なるために異動後の教職員が持つ困り感を課題として挙げた。

 道町村教育委員会連合会の山﨑佳副会長は、自然体験活動や電子メディア利用に関する保護者向け説明会の開催など地学協働による取組を伝えたほか、AI教材の導入が家庭学習の習慣化、教員の業務改善、さらには不登校の児童生徒対策にも役立っていることを伝えた。

 道教育大学旭川校の山中謙司准教授は、思考力・判断力・表現力に関する問題の正答率が低い傾向にある本道の課題を踏まえ、個別最適な学びや協働的な学びと地域性を生かした教育の充実を図ることが重要とし「北海道の様々な産業や自然を生かし、地域ならではの教育を充実することが今後の学力保障になる」と説いた。

 道教育大学札幌校の中島寿宏准教授は体育専科教員の配置校と近隣校において体力向上の成果が見られていると報告。「教員の授業力をいかに高め、運動の楽しさや重要性を伝えるかが重要なポイント。地域の中核となる教員の実践を広げることが最も効果がある」と意見した。

(道・道教委 2023-03-29付)

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