道教員育成指標改訂の要点　「教育的愛情」最上位に　目指す管理職像を明確化

（道・道教委 2023-03-30付）

北海道における目指す学校管理職像（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は北海道における教員育成指標を改訂した。校長、副校長・教頭、管理職候補者が目指す学校管理職像を新たに設定したほか、教師に共通的に求められる資質・能力を再構成。教職を担うために必要な素養として子ども一人ひとりの個性を尊重して成長を促す「教育的愛情」を最上位に設定した。

　現行の教員育成指標は、教員等一人ひとりが主体的に資質・能力の向上を図る際の目標を共有するため平成２９年に策定。４年６月の教育公務員特例法の一部改正に伴う国の新たな教師の資質向上に関する指針に基づき道教員育成協議会での協議を経て所要の改訂を行った。

　全体の構造はこれまでどおり、学校種・職種共通の「教員育成指標スタンダード」と校種別（幼稚園、小・中学校・義務教育学校、高校、特別支援学校）、職種別（養護教諭、栄養教諭）の指標を設け、養成・初任・中堅・ベテランの４段階でキャリアステージに応じて必要となる資質・能力を設定している。

　主な改訂の要点をみると、教員育成の考え方では「主体性の尊重や心理的安全性の下での教師同士の学び合い」「現場での経験と多様な研修機会の組み合わせによる個別最適な学び」「学校課題に対応した組織全体での協働的な学び」を明記した。

　学校管理職の育成指標においては新たに目指す学校管理職像を設定し「深い教育的愛情や豊かな教員経験、確かな職業倫理を基にリーダーシップの発揮」など３点を掲げた。

　教師に共通的に求められる資質・能力は再構成。情報モラルや情報セキュリティーを含め情報活用能力を育成する授業を実践する教員の役割も示した。

　本道の教員として特に重視する資質・能力の明確化も図り、教職に当たって必要となる素養として「教育的愛情」を最上位に位置付けるとともに、生徒指導とは別に子どもに積極的に関わって的確に子どもを捉える「子ども理解力」を定めるなど、子ども主体の学校教育の実現に向けた資質・能力を示している。

(道・道教委 2023-03-30付)