一般表彰6者に栄誉 オホーツク局 管内教育実践表彰
(道・道教委 2023-03-28付)

 【網走発】オホーツク教育局は、4年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。一般表彰では、湧別町立湧別小学校など1校1団体4個人が受賞。初任段階表彰は雄武高校の澤井愛理教諭、若手教職員表彰は佐呂間町立佐呂間小学校の河合建弥教諭が受賞の栄に浴した。

 受賞者と功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

◆一般表彰

【小・中学校教育】

▼湧別町立湧別小学校(秋山康則校長)

 「読解を経由した記述力」の育成を重点とし、書館と連携した読書活動や外部講師を活用した国語科の授業改善を推進し、地域全体の読解力・記述力向上に寄与した。

 また、5年度予定の湧別地区義務教育学校「ゆうべつ学園」開校に伴う小中一貫教育の導入に向け、全職員の参加による9年間を見通した特色あるカリキュラム・マネジメントにも努めている。

 さらには、湧別町独自の学校力向上事業中心校の指定を受け、学校力向上を自校で積極的に推進するとともに、その成果を公開研究会、各種研修会への講師派遣、北海道公立学校等教育実践、管内教育研究団体の会報、「初等教育資料」や「実践国語研究」等の全国的な教育書籍、他市町村からの複数回の学校視察の受け入れ等によって、管内や道内、全国へ広く発信している。

▼渡辺友章(北見市立光西中学校教諭)

 教務主任として適切な教育課程と効果的な業務運営を両立させるカリキュラム作りを進め、その主体性と指導力から教職員からの信頼が非常に厚く、学校力向上に関する総合実践事業においては、指定校への公開授業研究会の際に、授業方法や教育課程に関する適切な助言を行うなど、地域の学校力向上に多大な役割を果たしている。

 本年度は、網走地方教育研修センター講座(算数・数学講座)講師として、特に主体的に学習に取り組む態度についての評価方法を主張し、主語が生徒である数学科授業についての授業実践を公開し有益な評価手法を発信した。

 さらに、第77回北海道算数数学教育研究大会において「第三観点の評価に対応した、問題解決の授業の実践」と題し、研究の成果を発表。意図的・計画的な指導が主体的な学習の根幹となることを大会で提言し、道内の数学科評価方法研究に大きく貢献した。

▼谷口寛人(網走市立東小学校教諭)

 現任校でミドルリーダーとして教育課程編成に携わるとともに、コロナ禍における学びの保障や、GIGAスクール構想の実現に向けた取組において中核を担っている。

 また「学校教育の情報化指導者養成研修」の受講を通して専門的知見を高め、1人1台端末を効果的に活用した授業改善や、校務における組織的なICT活用の取組等について、オホーツク教育局主催のオホーツク夏の教育セミナーや網走地方教育研修センターが主催する研修会の講師として管内の教員に広く発信している。

 さらには、網走市教委が主催する「学力向上フォーラム」や、管内小・中学校が実施する校内研修会の講師としてGIGAスクール構想の実現に向けた取組の在り方等について発表するなど、教育実践の成果を広く周知している。

▼森下和樹(紋別市立南丘小学校教諭)

 平成29年度~令和元年度には、授業改善推進チームの一員として対象校を巡回し、指導助言に当たるなど、管内教育の充実・発展に貢献した。

 令和3年度には、自校の研修リーダー・司書教諭として、市立図書館および学校司書と連携することで「学校図書館を活用した授業実践」と「児童の読書活動」を推進し、自校の3年度子どもの読書活動優秀実践校文部科学大臣賞受賞に寄与した。

 本年度は、道学校図書館研究大会において「情報活用能力を高める授業と校内指導計画」をテーマに研究発表を行うとともに、網走地方教育研修センター講座「学校図書館」の講師を務めるなど、自身の教育実践を広く発信している。

【高校教育】

▼上田弘恵(津別高校教諭)

 平成29年度、津別高校における学校存続や将来を検討するための「未来プロジェクト委員会」立ち上げ時の委員として、地域の教育資源や人材を活用しながら地域の課題研究に取り組む「つべつ学」について検討を開始し、平成31年度からの実施に向けて、シラバスや年間計画の作成に尽力した。

 本年度の「つべつ学」再編成に当たっては、当該教諭が中心となって教科等横断型の探究学習プログラムを完成させ、全職員で取り組む体制づくりを進めた。

 加えて、これらの取組の成果を、道立研究所の「総合的な探究の時間」に係る研修で発表するなど、全道へ広く発信している。

【社会教育】

▼こどもみらい

 子どもの健全育成・社会教育の活動を図ることを目的として、平成14年にNPO法人として設立され、17年に網走市教委が放課後子ども教室「遊村あばしり」の開設に向けて実行委員会を組織した際に参画。18年度から教室としての活動を開始した団体である。

 つくしヶ丘・潮見地区のコミュニティセンター等を拠点に放課後子ども教室を開設しており、教室の運営に当たっては、地域住民を講師とした多様な体験・学習プログラムを子どもたちに提供することで、世代間交流を促すとともに、地域住民の参画による社会教育活動の推進に寄与している。

◆初任段階表彰

▼澤井愛里(雄武高校教諭)

 平成30年に初任段階教諭として着任してから現在に至るまで教務進路部に在籍し、教育課程研究協議会での成果を自己の授業に生かすなど、自校における新しい教育課程の在り方や学習評価の工夫について研究し、改善・充実に努めている。

 本年度は、勤務校において「高校生向け出前型ワークショップ」を1・2学年に向けて実施。コーディネーターとして積極的に地域人材や関係機関と連携し、生徒の地元定着や将来的なUターンの促進につなげることを目的に、地域の仕事の魅力や地元で働くことの選択肢を学んでもらう活動を展開し、地域を支える人材育成に尽力した。

◆若手教職員表彰

▼河合建弥(佐呂間町立佐呂間小学校教諭)

 勤務校では研修部長として、校内研修において「児童が主体的に学び、高め合うことができる」というテーマのもと、1人1台端末を積極的に活用し、全教職員による組織的な授業改善に努めている。

 また、「初等教育資料」令和2年3月号に「よりよい生活や社会をつくる学校行事の実践」と題して掲載されるなど、教育関連書籍に複数回、自身の教育実践が掲載されており、広く発信している。

 本年度は、初任段階教員研修(4年次)の講師として、特別活動を軸とした学級経営、児童が主体的に学習を進める教科指導の在り方などについて、夏の教育セミナーにおける特別活動部会の講師としては、1人1台端末を活用した教育実践などの自身の取組について、管内の教員に広く成果を発信している。

(道・道教委 2023-03-28付)

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