日高局　管内教委教育長会議　誰も取り残さぬ授業で　部活動地域移行へ情報を

（道・道教委 2023-03-30付）

管内の教育長７人が出席した

　【苫小牧発】日高教育局は２４日、日高合同庁舎で管内教育委員会教育長会議を開催した。管内７町の教育長が出席。「どの子も取り残さない授業で学力向上を」など、５年度に向け所管事項について伝え共通理解を図った。教育長からは部活動の地域移行について、クラブチームの参加の在り方など「情報が欲しい」との声が相次いだ。

　はじめにあいさつした行徳義朗局長は、コロナ禍の３年間、教員も学校行事を経験していないことに触れ「新任の教頭が行事の運営上の細かな連絡調整を身に付ける機会がないまま卒業式、入学式等に臨むことのないよう、折に触れ丁寧な指導を」と求めた。

　また、学力向上について「全国調査は普段の学力を見るものだが“いつもどおりでいいよ”と声かけをするのと“普段身に付けた力を出し切らせてください”と声かけするのでは、教師から子どもへの声かけも変わってくる」などと述べ、校長からの適切な声かけを求めた。

　続いて、熊谷誠義務教育指導監、佐藤基企画総務課長、鈴木毅教育支援課長が所管事項を説明。

　熊谷義務教育指導監は、学校経営指導訪問について、提出様式の簡素化・重点化を図るほか、教頭の育成を目的に「校長の記述した方針に対する教頭としての関与を明確にさせる新規様式を実施する」などと述べた。

　佐藤企画総務課長は、働き方改革アクション・プランについて、より実効性のある取組や、慣習的に行われている業務の廃止など業務の精選を求めた。

　また、人事評価について「評価が意欲につながることが大切」「管理職による面談等で十分な評価内容の説明を」などと呼びかけた。

　鈴木教育支援課長はマスク着用の当面の方針など１０点について述べ「４月１日から当面マスクの着用を求めないことを基本とする」ことを述べたほか、学力に関し「本年度の指導で定着が十分でない学習内容がある場合は、次年度、単元の冒頭に学び直しの時間を位置付けるなど、確実に身に付けるよう指導計画や指導方法の工夫を」と求めた。

　また、ほっかいどうチャレンジテストの配信計画を説明し「学力調査までに確実に実施し、不十分ならサポート問題も活用してほしい」と要望。昨年のチャレンジテストで日高の小学生は同じ問題への正答率が全道より上回っていたことを述べ「着実に改善は進んでいる。どの子も取り残さない取組を」と求めた。

　さらに、不登校について「アウトリーチ型支援を積極的に進め、相談・支援機関につながれずに孤立しがちな児童生徒を減らしてほしい」と述べた。

　このあと質疑や意見交換。各教育長からは部活動の地域移行について「中体連にクラブチームが参加できるのかといった質問が相次いでいる。適切に対応するためにも情報があれば早めに伝えてほしい」「専任のコーチに資格を持った人物が管内にいない場合はどうすれば良いのか」「実際にクラブチームの大会のため終業式に出ないといったことが起きてきている。教育活動である部活動ではあり得ないこと。こうしたことからもクラブチームの在り方について道教委としてもしっかり進めてほしい」などの声が相次いだ。

　教育局は「部活動の地域移行については局内にサポートチームをつくり指導助言していく」「情報収集をしっかり行い、できるだけ早く伝えていきたい」などと答えた。

(道・道教委 2023-03-30付)