道教委 医療的ケア実施の方向性 引継ぎ期間短縮など3点 要項見直し、通学保障検証も(道・道教委 2023-03-28付)
道教委は24日の第2回道立学校における医療的ケア連絡協議会で、医療的ケア実施の今後の方向性を示した。①引き継ぎ期間の短縮に向けた取組②就学前から卒業までの一貫した支援体制の充実③地域の実情に応じた通学手段の確保―の3点を柱に掲げ、道立学校における医療的ケア実施要項の見直しや幼児期を含めた早期からの引き継ぎ・手続き開始に向けた学校の取組を支援。喀痰吸引や呼吸管理が必要な医療的ケア児の通学保障の検証についても着手する考えを示した。
3年9月の医療的ケア児支援法の施行に伴い、国や自治体において医療的ケア児やその家族に対する支援施策を実施することが義務化された。小・中学校に通学する医療的ケア児や高校への進学者の増加が見込まれる中、受け入れ体制の整備に苦慮する自治体や学校も多く、医療的ケア実施体制の充実が全ての学校種で大きな課題となっている。
道教委は昨年11月に有識者による検討会議を設置して今後の体制整備の在り方を検討して答申をまとめた。併せて、保護者アンケートで明らかになった教育的ニーズも踏まえた上で、今後の事業展開の方向性として3点を整理した。
引き継ぎ期間の短縮に向けては道立学校における医療的ケアの実施要項を約10年ぶりに見直し、早期からの手続きの開始や学校における手順の効率化を後押しする。
併せて、幼児期も含めた早期からの引き継ぎや医療的ケア実施の手続き開始など学校の取組を支援する。
また、就学前から卒業後まで一貫した支援体制の充実を図るため、研修などの機会を活用して学校における医療的ケアに関する基本理念について共通理解を図るほか、訪問・オンラインを組み合わせた医療的ケア巡回相談や特別支援学校におけるセンター的機能を活用することで、初めて医療的ケアを実施する教育委員会や学校への支援の充実につなげていく考え。
さらに、医療的ケアを必要とする児童生徒の通学保障や保護者負担の課題を解決するため、「地域の福祉サービスの利用ができない」「他の通学手段が確保できない」児童生徒に対するモデル事業の開始も視野に入れ検討を進める。
会議では各委員が道教委の方向性について概ね賛意。一方、学校関係者からは、限られた予算・人員の中で様々な対応をするための予算の確保や学校設置者の枠にとらわれる課題を指摘する意見も。国の動向を見据えた上でより俯瞰的・長期的視点に基づく体制を整備する必要性も示唆された。
(道・道教委 2023-03-28付)
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