上士幌中 十勝管内の中学校で初 ユネスコスクール登録 総合学習でSDGs題材に
(学校 2023-04-13付)

 【帯広発】上士幌町立上士幌中学校(新倉忠司校長)は、十勝管内の中学校で初となるユネスコスクールの登録を受けた。認定に向け、5年度から全学年の総合的な学習の時間で、SDGsの達成目標に関連した学習を進める。町内で推進されるゼロカーボンの取組をはじめ、学年が上がるごとに世界へと視野を広げ、環境問題や福祉、気候変動などに関して学びを深める。

 町内では、こども園から高校までの期間でESDおよびSDGsの学習を進めており、ことしで3年目を迎える。地域に根差したESD活動の実践を重ねる上士幌高校は、平成26年度にユネスコスクールに認定された。

 上士幌中は令和2年にユネスコスクールへの登録を申請したが、コロナ禍によって審査が停滞していた。ことし2月に事務局から登録を受け、認定に向けて本年度の教育課程を編成。全学年の総合的な学習の時間で、SDGsの達成目標に関わる学習を進める。

 1学年は全15時間で、町内で推進されるゼロカーボンへの取組をはじめ、環境やエネルギーの問題に関して学びを深める。町内施設の見学や調査も予定している。

 2学年は、福祉や人権等の観点から学習を進め、肢体不自由や視覚障がい、手話などの体験的な学習を全9時間で展開する。

 3学年は「持続可能なまちづくり」をテーマに、気候変動の学習や災害時に備えた避難所運営の計画作りを進める。町が脱炭素選考地域に選定されたことを受け、今月下旬の修学旅行に環境省への訪問を組み込んだ。生徒たちは町や自校の環境問題に対する取組を発表し、助言を受けてさらに学びを深める。また、町内の外国人就労者との交流などを通して、世界の課題にも目を向ける。

 このほか、ユニクロがUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と共に取り組む「届けよう、服の力」プロジェクトに、同校生徒会役員が中心となり参加する。同社員による出張授業を受け、校内および地域で子供服の古着を回収し、難民などの服を必要とする人々に届ける。

 新倉校長は、ユネスコスクールへの登録に「他地域の取組を知り、視野を広げる機会」と期待を寄せ「変化の激しい時代において、持続可能な社会を創り、共感性を持ち、海外とのつながりに対応できる子どもたちを育てたい」と話している。

(学校 2023-04-13付)

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