道教大 2年連続で文科省指定 4大学フォーラム 年内に開催 全国へき地の教育力向上へ
(学校 2023-04-10付)

 道教育大学は文部科学省の5年度SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業の採択を受けた。へき地・小規模校の教師を対象とする「へき地教師教育力開発プログラム」を継続して実施し、道内外の現職教員に対する研修講座や用語集の作成、CBT問題の開発などに取り組む。連携協定を締結した長崎・鹿児島・琉球大学との初の試みとして「4大学へき地教師教育フォーラム」を年内に開催する予定だ。

 事業は国内の教育現場における持続可能な開発目標(SDGs)達成の担い手を育む多様な教育活動を実施・支援する団体に必要な経費を補助するもの。5年度は全国の大学・教育委員会から21件の応募があり11件が採択された。道内からは道教育大が2年連続の採択となった。

 道教育大は4年度から3ヵ年計画で「過疎地のSDGsを推進するへき地教師教育力開発プログラムと学校力担い手育成事業」を推進。全国的な学校の小規模化進行に伴い学校力や地域力の格差が生じる中、大学が有するへき地・小規模校教育の専門的な知見を生かしてへき地教師の教育力を開発するプログラムを実施することで、全国どの地域の学校でも質の高い教育を提供できる学校力の向上を目指す。

 5年度の主な取組は①関係機関との連携による現職研修の実施②へき地・小規模校教育推進フォーラムの開催③4大学へき地教師教育フォーラムの開催④研修動画の制作・公開⑤用語集・指導書の普及⑥CBTの開発⑦全国的教職教員研修ネットワーク組織の構築―の7点。

 現職研修は道教委とのへき地教育研修のほか、道外教育委員会への出前講座やオンライン研修、道へき地・複式教育連盟との連携による研修会を実施する。

 へき地・小規模校教育推進フォーラムは12月~6年2月にかけて計2回開催する予定。文科省の担当官を講師に迎え、国の教育施策とも連動させて地方の教育力の活性化を推進する。

 長崎大学、鹿児島大学、琉球大学とのフォーラム開催も計画。研究・研修を大学全体で行う「FD研修」を強化し、各大学におけるへき地教師の教育力の向上を図る。

 へき地・小規模校教育に対する理解度向上に向けては、新たにへき地教育の基本用語集を作成し、初任者研修などで活用・検証するとともに、全国への展開を図る。場面指導に特化したCBT問題の開発にも着手する予定で、いずれも6年2月の完成を目指す。さらに、実践的な手引を作成し関係者に配布する。

 4年度に構築した現職教員研修ネットワークをさらに発展させ、5年度は全国へき地教育研究連盟と協働した全国研究大会を実施するほか、へき地教育ICT活用推進講座を共催で開設。遠隔教育や少人数のICT活用方法を普及させる。

(学校 2023-04-10付)

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