先鋭的人材育成へ挑戦 道科学大高が高大一体教育 3年生が科学大科目履修 単位互換も  6年度から
(学校 2023-04-11付)

 本年度、手稲キャンパスに移転した北海道科学大学高校(橋本達也校長)は、6年9月から北海道科学大学(川上敬学長)と高大一体教育「コンカレントプログラム」をスタートする。系列校への進学が内定した高校3年生を対象に、後期から大学の一部科目を早期履修し単位互換するもので、道内高校では初の取組。高校・大学の学びの円滑な接続や、大学入学後の余裕あるカリキュラム編成を可能にすることで、学生自らの成長に充てる時間を確保する。川上学長は「大学の学びを高校生段階から触れ、より先鋭的な人材を育成する環境を築きたい」としている。

 道科学大高は昭和31年、豊平区中の島に北海道工業高校として開校。ことし4月、系列校・道科学大のある手稲区前田に移転し、大学と同キャンパスにあるスケールメリットを生かした高大一体教育「HUS LINKS」の実現を目指す。

 具体的な教育内容をみると、高校においては、3年間継続した総合的な探究の時間を推進。社会で活躍するプロフェッショナルを招いた特別プログラムを展開するなど、大学の教育資源を生かし生徒の多様性を育む。

 一方、大学においては、社会人として必要な基盤能力を育成する「HUSスタンダード」を展開。1・2年生全学部学科の学生全員が、異分野間で協働する力を育む複数学部・学科生による混成授業や、AI・数理データサイエンス教育、地域課題に主体的に関わる課題発見解決型授業など5つに取り組む。

 高大それぞれの特色ある教育を円滑に接続するため、令和6年9月からは、道内で初となるコンカレントプログラムを開始する。大学に内部進学する高校3年生を対象に、内定後の3年生後期から大学のHUSスタンダード科目や専門科目の一部履修を可能とする。習得した単位は、高大で相互認定する。

 これにより、高校・大学の学びの円滑な接続や、大学入学後の余裕あるカリキュラム編成を可能にする。例えば、大学1年後期に生じる余暇時間を、短期留学やインターンシップ、ボランティア体験などに充て、学生自らの成長に資する取組を支援する。

 単位互換できる科目は現段階で未定。大学が設置する工学部、薬学部、保健医療学部、未来デザイン学部などと調整を図る方針だ。

 橋本校長は「様々な進路がある中、生徒たちにたくさんの経験を積ませられる学校になれば」と期待。川上学長は、大学卒業後を見据えた社会人としての基盤能力育成の重要性を指摘し「大学の学びを高校生段階から触れることで、より先鋭的な人材を育成する環境を築きたい」としている。

(学校 2023-04-11付)

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