ＳＣＯＰ　指導提要図解もとに　これからの生徒指導は　札幌市立高教員が実践交流

（札幌市 2023-04-18付）

　札幌市立高校の教員同士が関心や課題・熱意などを共有し、実践交流を行う第１１回ＳＣＯＰが３月下旬、市立札幌平岸高校で開かれた＝写真＝。今回のテーマは「これからの生徒指導を語ろう」。札幌藻岩高校の對馬光揮教諭が生徒指導提要をわかりやすくまとめた図解をもとに、生徒指導の在り方について意見を交わした。

　ＳＣＯＰ（Ｓａｐｐｏｒｏ　Ｃｏｍｍｕｎｉｔｙ　Ｏｆ　Ｐｒａｃｔｉｃｅ）は、市立高校に勤務する教員同士が、関心や課題・熱意などを共有し、実践交流などを通して、学びを深めていく自主的な集まり。令和元年度から不定期で開催している。

　今回のテーマは「これからの生徒指導を語ろう」。昨年１２月、１２年ぶりに改訂された生徒指導提要をより分かりやすく気軽に読めるものへと、對馬教諭が図解にするプロジェクトを立ち上げ、完成した図解を披露した。

　プロジェクトの発足は、元年に札幌平岸高の金子京平教諭が「世界のエリートはなぜ“美意識”を鍛えるのか？」という新書を札幌藻岩高の對馬教諭に紹介したことがきっかけとなった。

　對馬教諭はこれを機に「評論文を読み、情報同士の関係性について理解を深めながら、内容が的確に伝わるように図解を作成する」という現代文の授業のアイデアを思いつき、図解を作成する現代文の授業をことし１月に札幌藻岩高で実践した。

　また、生徒指導提要が１２年ぶりに改訂されたことを受けて「教員が生徒指導提要を分担して図解する」というプロジェクトを企画。札幌藻岩高と札幌平岸高の若手教員に声をかけ「生徒指導提要図解プロジェクト」を発足した。

　冒頭で、對馬教諭がプロジェクトを始めたきっかけ、どのようにして仲間を集めたか、プロジェクトの目的などを話した。

　図解では、各章、３色の色、同種のテンプレートを使用し、大事なポイントを図を用いて記載。長い文章を読み解くよりも、抵抗感なく読み進められる内容とした。

　後半は、生徒指導の構造に基づいた問いについて、ワークシートをもとに、グループで話し合った。

　参加者からは「一つ一つの対話の時間が長く設定されていたおかげで実りある話し合いになった」「生徒指導提要を作るということがきっかけとなり、市立高校教員の輪が広げられたのでとても良い経験になった」「各学校の状況や先生の考えをたくさん聞くことができて、今まで見えていなかった視点に考えが及んだり、また自分の意見を伝えることで考えが整理され、勉強になった」などの声が寄せられた。

(札幌市 2023-04-18付)