Ｇ７会合へ札幌市立高生が制作　環境教育動画が完成　市教委　市内小・中に配信

（札幌市 2023-04-18付）

　１５、１６日に開催された「先進７ヵ国（Ｇ７）札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」に向けて、札幌市立高校生が制作した環境教育動画が完成した。食品ロス、地球温暖化などの環境問題と解決に向けたヒントについて、オリジナルキャラクター“シマエナガちゃん”らと共に学べる内容となっている。会合同日に札幌ドームで開かれた「環境広場ほっかいどう２０２３」で生徒たちが動画の完成を報告した。市教委は今後、市内の小・中学校に配信し、各校の状況に応じて視聴・活用してもらう考え。

　市教委は、Ｇ７札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の開催を契機として、札幌らしい学校教育のテーマの一つ「環境」について札幌市立学校全ての子どもが考える機会にするとともに、その解決に向けて行動しようとする社会参画意識の醸成につなげようと市立高校生による取組を企画した。

　市立高校・特別支援学校長会と連携し、昨年１２月に開催された市立高校生徒会リーダー交流会における協議テーマの一つに設定。各校の生徒会役員を中心に計２２人の生徒が関わって検討・準備を進め、小中学生向けに環境問題について提起する動画を制作した。

　動画では、鳥たちが通う学校を舞台に、オリジナルキャラクターの“シマエナガちゃん”“フクロウ先生”が登場。フクロウ先生がイラストなどを交えながら環境問題について解説し、生徒のシマエナガちゃんと共に学べる内容だ。

　児童生徒の発達段階の差を踏まえ、小学校低学年向けの「もりのみらいをまもるために」、高学年向けの「食品ロスってなんだろう？」、中学生向けの「気象環境問題について考えよう！」の３段階で構成している。

　全ての児童生徒が環境問題を身近なものとして捉えられるよう「どこまでの情報を組み込めるか」「どのようなイメージで伝えるのが適切か」など、構成や表現などについて検討を重ねた。

　また、環境問題の実態を伝えるだけではなく「問題に対して私たちができること」に関するヒントを盛り込んでいる。問題意識を持つだけで終わりにせず、自分たちができる環境への対策を考え、実行に移すきっかけとなる仕掛けを講じた。

　制作に携わった市立札幌開成中等教育学校の別当屋敷和さん（５年）は「動画をきっかけに身近な行動を始めてもらい、それがだんだんと広まっていけばうれしい」と期待している。

(札幌市 2023-04-18付)