渡島管内5年度教育推進の重点 3つのi達成へ取組展開 社会生き抜く力を育む目標に(道・道教委 2023-04-20付)
山下幹雄局長
【函館発】渡島教育局の山下幹雄局長は13日、渡島合同庁舎で開催した管内公立学校長会議で5年度管内教育推進の重点を説明した。「自他のよさを活かし、意欲的に学び、社会を生き抜く力を育む」を目標に定め「3つのi(アイ)」と呼称。達成に向けた取組の方向性として①安心感と充実感を創り出す②資質・能力を身に付ける③学びや地域の資源をつなげる―の3点を提示した。具体的な取組内容として、いじめ防止や不登校児童生徒の支援、授業改善の推進および教員のICTスキル向上、世界文化遺産の活用と地域の活性化などを位置付け、管内教育活動の充実を目指す意向を示した。
山下局長の説明概要はつぎのとおり。
これまで、渡島教育局では、各市町教育委員会や各学校に重点化して取り組んでいただきたい内容として、「5つの行動指標」を示してきたが、国の教育振興基本計画が新たに策定され、道教委が教育推進計画を新たに策定することを踏まえ、本年度から「渡島管内教育推進の重点」に改めることとしたので、その内容について説明申し上げる。
5年度の目標は「自他のよさを活かし、意欲的に学び、社会を生き抜く力を育む」とし、一人ひとりの児童生徒が、急激に変化する時代の中で、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることを目指して設定した。
そして、目標の中の3つのキーワード「活かす」「意欲的に学ぶ」「生き抜く力」の頭文字をとり「3つのアイ」と呼称することとした。
この目標を達成するための取組の方向性を3点示した。
【3つのアイ】
▼「自他のよさを活かし」
取組の方向性として「安心感と充実感を創り出す」ことを示しており、取組内容として「共感的な人間関係の育成」「地域とともにある学校の構築」「安全・安心な学びの場の確立」を位置付けた。
特に、いじめの防止や不登校児童生徒の支援などの取組とあわせて、個性の発見と良さや可能性の伸長、社会的資質・能力の発達を支えるといった発達支持的生徒指導の充実を図るとともに、地域と学校の協力態勢を整備することで、子どもたちが安心して学びに向かうことができる環境を創り出すことを目指す。
▼「意欲的に学び」
取組の方向性として「資質・能力を身に付ける」ことを示しており、取組内容として「個別最適な学びと協働的な学びの実現」「授業改善の推進」「教員のICT活用スキルの向上」を位置付けた。
特に、学習指導要領の趣旨の実現を目指し、旧来の教師中心の暗記再生型の授業から、学習者中心の探究的な学習への転換を図るとともに、教員のICT活用スキルを一層向上することで、子どもたちが資質・能力を確実に身に付けることができる授業の実施を目指す。
▼「社会を生き抜く力を育む」
取組の方向性として「学びや地域の資源をつなげる」ことを示しており、取組内容として「カリキュラム・マネジメントの推進」「未来を担う子どもたちの学びの充実」「世界文化遺産の活用と地域の活性化」を位置付けた。
特に、身に付けた資質・能力が、将来、社会を生き抜く力につながるよう、地域の教育資源を活用した、教科等横断的な指導を行うことができる体制を整備するとともに、働き方改革を推進し教員がより良い授業づくりに取り組む時間を確保し、子どもたちの学びが一層充実することを目指す。
各校において、子どもたちが自他の良さを活かし、意欲的に学び、社会を生き抜く力を育むことができるよう、教育推進の重点に基づいた取組を関連させながら、より一層、教育活動の充実を図っていただくようお願いする。
(道・道教委 2023-04-20付)
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