高校配置計画地域別検討協〈檜山〉 相互連携し学校魅力化 現状や課題、特色ある取組協議
(道・道教委 2023-04-28付)

 【函館発】道教委は26日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会(檜山学区)をオンラインで開催した。12年度までの中卒者数の見込みや生徒の進路動向などを踏まえ、各校の現状や課題について意見を交換。檜山管内の高校長らは自校の特色ある教育活動をアピールし、道教委と地域、学校が相互連携を図ることで、高校魅力化に向けた取組を一層充実させていく姿勢を示した。

 道教委や管内の教育長、学校関係者ら約30人が参加した。

 開会に当たり、檜山教育局の近藤史郎局長は道内で急速に中卒者数の減少が進んでいることに触れ「小規模校化が進む中、高校再編は避けられない課題。特色ある高校づくりや適正配置とともに、教育水準を維持し、活力ある高校づくりを進めていきたい」と述べた。

 道教委高校教育課の岡内誠道立学校配置・制度担当課長が檜山学区の状況を説明。8年度は0~1学級相当の中卒者数増が見込まれる一方、9~12年度の4年間で58人の中卒者数減が予想されるため、1~2学級相当の減が必要となることなどを示した。

 江差町教委の出﨑雄司教育長は町内の江差高校について「前年度から開始した南ひやま学を通して、地域を育てる学びを実践している。高校の魅力化は生徒一人ひとりの魅力づくりから始まるもの。地学協働の取組を再度整理し、指針に沿った魅力づくりを進めてほしい」と話した。

 高校教育課の前野文繁主査は「地域の課題を解決し、実践することを往還する教育活動は非常に大切。今後も地域を学びとした学校づくり、学校を核とした地域づくりに協力してほしい」と答えた。

 上ノ国町教委の矢代智樹教育長は、再編整備留保校となっている町内の上ノ国高校について集中取組期間のスケジュールを質問。

 岡内課長は「それぞれの学校や地域によって取組の具体は流動的だが、留保校については順次、存続に向けた取組等の計画を策定していきたいと考えている。道教委も学校、市町村と連携して支援に当たりたい」とし、連携を深めていく姿勢を示した。

 上ノ国高のPTA会長は「小規模校だが、海外研修やスタディサプリの導入など、学校や町から手厚い支援をいただいている。高校がなくなると、町に活気がなくなり、家庭や生徒にとって負担がかかる」と訴え、同校の存続を求めた。

 乙部中学校の宮腰屋由校長は他管内への進学者が一定数在籍する一方、半数は地元進学を希望している現状から「部活動や特色ある教育課程など、中学生の魅力につながる取組を一層発展させてほしい。中学校側としても、高校と密に連携を取りながら進路指導をしていきたい」と話した。

 管内4校の校長は、学校の特色化に向けた自校の取組を紹介した。

 江差高の古谷尚校長は独自の教育課程である南ひやま学について「本校が果たす役割について考えさせる活動などを通して、地域で生徒を育てる観点が非常に重要。本年度導入したコミュニティ・スクールで協議を深め、ニーズに対応できる学校経営をしていきたい」と強調。

 上ノ国高の吉田享平校長は小規模校のメリットを生かした生徒の非認知能力を高める教育を一層推進していくことを示したほか、檜山北高校の山田延彦校長は管内唯一の総合学科として、地域の担い手を育むキャリア教育などを魅力の一つとして紹介した。

(道・道教委 2023-04-28付)

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