オホ管内5年度教育推進の重点 子の学びの機会保障 桑原局長 高・特校長に要請
(道・道教委 2023-04-27付)

オホーツク局高校・特別支援学校長会議
桑原局長が重点について説明した

 【網走発】オホーツク教育局は18日、オホーツク合同庁舎で管内高校・特別支援学校長会議を開いた。桑原知己局長が5年度管内教育推進の重点について説明。重点の具体的な内容として3つの柱と9つの項目を提示し、各種教育活動の推進を要請した。

 説明概要はつぎのとおり。

【はじめに】

 オホーツク管内教育推進の重点については、管内の状況を考慮し、必要な取組を管内一丸となって推進するため策定したものであり、これを共有するため、年度の初めに関係者に示すものであるが、前年度、校長の皆さんには、4月に示した4年度管内教育推進の重点および4年度管内教育推進の取組に基づき、学校経営の改善・充実はもとより、管内の教育の充実・発展に寄与していただいたことに感謝する。

 また、各学校においては、教職員が一丸となって感染症対策と学びの保障の両立に多大な尽力をいただき、心から感謝申し上げる。

【管内教育推進の重点】

 重点として、柱1「子どもたち一人一人の可能性を引き出す教育の推進」には5項目6つの取組、柱2「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」には3項目4つの取組、柱3「地域と歩む持続可能な教育の実現」には1項目1つの取組を設定している。

▼柱1「子どもたち一人一人の可能性を引き出す教育の推進」

 1つ目の「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」については、普段からのICTの活用やSTEAM教育による探究的な学習を通じた授業改善、大学や民間企業等と連携して学習活動の充実を図るなど「主体的・対話的で深い学び」の実現をさらに進めるための取組を設定している。

 2つ目の「特別支援教育の充実」については、4年度特別支援教育体制整備に関する調査において、全ての校種で校内研修に特別支援教育を位置付けているが、全ての教職員に特別支援教育に係る専門性をさらに身に付けてもらうため、特別支援教育に係る校内研修の充実を設定している。

 3つ目の「道徳教育の充実」については、記載内容は義務教育に関するものであるが、高校においても道徳教育の目標を踏まえ、校長の方針のもとに、道徳教育推進教師を中心に全教師が協力して、道徳教育を展開していただくようお願いする。

 4つ目の「ふるさと教育の充実」については、児童生徒に郷土愛を育むため、各教科等のねらいの達成に向けた地域の人材や施設、関係機関等の教育資源の積極的な利活用を位置付けている。

 5つ目の「外国語教育の充実」については、小学校においては、アクティビティー等の練習に終始する授業、中・高校においては、文法や内容の説明に終始する授業といった課題が見られることから、コミュニケーションを行う目的や場面・状況等を設定した言語活動の充実を図るとともに、各学校段階で4技能5領域のバランスの取れた英語力の育成に向けた授業改善を位置付けている。

▼柱2「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」

 1つ目の「ICTの活用推進」については、GIGAスクール構想のもと、前年度から高校におけるBYODの取組が進められているが、ICT端末の活用に学校差が見られることから、校長のリーダーシップのもと、校内の推進体制や教育課程におけるICT活用の位置付け、計画的な研修の実施など、教職員のICT活用指導力の向上を位置付けている。

 2つ目の「いじめの防止や不登校児童生徒への支援の充実」については、前年度は、各校種において、いじめの積極的な認知が進んだ一方で、児童生徒がいじめを受けていると思われる件数といじめの認知件数の間に依然として大きな差が見られることから、全教職員がいじめ防止対策推進法におけるいじめの定義を改めて確認し、組織的にいじめの早期発見・早期対応の取組を行うことができるよう、学校いじめ対策組織を中心とした、学校が一体となった生徒指導体制の充実を位置付けている。また、管内の全ての校種において、不登校児童生徒数が増加傾向にあることから、不登校児童生徒等の支援の充実に向けた、遠隔システム利活用の促進を位置付けている。

 3つ目の「働き方改革の推進」については、各学校において、校長のリーダーシップのもと、教員一人ひとりがワーク・ライフ・バランスの視点を持ちながら、教育活動を実施してもらっているが、引き続き、学校における働き方改革の実現に向け、校務支援システムやICTの活用等による業務改善の推進など、学校教育の質を高める環境の構築を位置付けている。

▼柱3「地域と歩む持続可能な教育の実現」

 「地域と学校の連携・協働の推進」については、記載内容は義務教育に関するものであるが、高校においてもコミュニティ・スクールの導入や連携組織(コンソーシアム)の整備等、学校や地域の実情に応じた推進体制の構築に取り組み、地域の自治体や関係機関等と連携・協働した魅力ある学校づくりを推進していただくようお願いする。

【おわりに】

 今、本道の校長に求められているのは、教育への高い識見と崇高な教育理念、子どもへの愛情を持ち、複雑化・多様化する学校の諸課題の解決に向け、明確な経営ビジョンを示し、学校力を高めながら、関係機関と協働できるトップリーダーの姿である。

 皆さんには、将来を担う子どもたちに、持続可能な社会のつくり手として、新たな価値を創造し、予想不可能な社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を確実に育むことができるよう、学校経営の最高責任者としての気概を持ち、力強いリーダーシップを存分に発揮することを期待している。

 教育局としても、高校長協会や特別支援学校長会、さらには、皆さん一人ひとりと、これまで以上に連携を密にしながら、管内教育の質の向上に努めていくので、一層の協力をお願いする。

(道・道教委 2023-04-27付)

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