【解説】「スポハラ」根絶へ6団体が活動
(解説 2023-05-08付)

 暴力、暴言、ハラスメント、差別など安全・安心にスポーツを楽しむことを害する行為「スポハラ(スポーツ・ハラスメント)」の根絶を図るため、日本スポーツ協会(JSPO)など6団体は4月下旬から「NO!スポハラ」活動を開始した。新たに特設サイトを開設して不適切行為への相談窓口や具体的な事例を紹介しており、本年度はワークショップの開催など啓発活動を推進する予定だ。

 スポーツにおける暴力行為などの相談件数は年々増加傾向。JSPOに寄せられた4年度相談件数は373件と、平成26年度の23件から約16倍に増加した。

 スポハラに該当する言動は様々だが、指導と称した体罰や人格を否定する暴言、立場の優位性を利用して指導の範囲を超えて嫌がらせを行うパワハラ、立場の違いを利用して行うセクハラ、年齢・性別・性的指向・障がい・国籍・文化・宗教などを理由とした「差別的指導」がある。

 過去にはスポーツクラブのコーチが児童生徒の保護者に性的なメッセージを送信したり、指導者がチームのルールに従わなかった罰として丸刈りを示唆したりすることで資格停止処分を受けた事案が発生している。

 「NO!スポハラ」活動を推進する団体はJSPO、日本オリンピック委員会、日本パラスポーツ協会、日本中学校体育連盟、全国高校体育連盟、大学スポーツ協会の6団体。様々な啓発活動を計画しており、本年度はスポハラから選手や子どもたちを守るためのワークショップを6、8、10月の計3回開催する予定で近く詳細を決定する。

 特設サイトでは、不適切行為に対応する相談窓口や具体的な処分事例を紹介しており、今後は保護者向けの情報や研修会情報などのコンテンツを順次追加する予定としている。

(解説 2023-05-08付)

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