【解説】こども基本法の認知率 8・8%
(解説 2023-05-12付)

 日本財団が実施したこども1万人意識調査によると、こども基本法を「詳しく知っている」「知っている」と回答した割合は8・8%、こどもの権利条約に関しては9・8%にとどまることが分かった。約3割が学校でこどもの権利を教わるよう望んでおり、財団はこどもの権利を学ぶ機会の創出や意見を尊重する仕組みづくりの必要性を指摘している。

 全都道府県の10~18歳の男女1万人を対象に調査。調査期間は3月6~12日。

 国や社会が優先的に取り組むべき内容は「高校・大学までの教育の無償化」が40・3%、「いじめのない社会づくり」が36・7%、「犯罪などからの安全確保」が33・7%と上位。また「不登校の子どもが学べる場所を増やすこと」が13・4%、「障がいのある子とない子が共に学ぶこと」が8・6%となっている。

 今や将来の生活を良くするために変えるべきことは「経済面の支援」が17・7%、「政治改革」「平等な社会」が10・7%。自分、周囲のこどもの権利で守られていない内容として「自分に関することの意見を自由に言うことができ、大人はそれを尊重する」「こどもはどんな理由でも差別されない」「こどもは教育を受ける権利がある」が1割を上回った。

 国が策定に向け準備を進めるこども大綱で望む内容は「教育費の無償化」が15・9%、「学校教育の内容や規則の見直し」が13・5%と上位となった。

 自由記述では「障がい者や表現が苦手な子どもに優しい学校をつくり、不登校の人も楽になれる世の中にしてほしい」「将来に役立つ勉強を楽しく学べる学校づくりを」「虐待やいじめの疑いがあるときに保護するなど行政側に強い権限を持たせ子どもを守ってほしい」などの意見が寄せられた。

(解説 2023-05-12付)

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