高・特校長会議 倉本教育長あいさつ 高校総体成功へ協力要請 1人1台端末活用し授業改善
(道・道教委 2023-05-12付)

 道教委の公立高校長・特別支援学校長会議における倉本博史教育長のあいさつ概要はつぎのとおり(11日付1面既報)。

▼はじめに

 少子化・人口減少、グローバル化の進展などによって、様々な社会課題が存在する時代において、教育は、学制150年を迎えた今もなお、変わることのない社会をけん引する駆動力の中核を担う営みであるとともに、活力あふれる社会を持続していくため、その役割はますます重要となっている。

 このような社会情勢の変化が激しい時代にあっても、子どもたちが社会の課題や変化に対応し、また、課題設定・解決能力や論理的思考力など、社会の創り手として成長していくための資質・能力を育むことが大切である。

 道教委としては、本道の将来を担う児童生徒の健やかな成長を支えていくことができるよう、各般の教育施策を推進していく。

▼新型コロナウイルス感染症への対応

 5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類へと移行され、3年余りに及んだ感染症との闘いが一つの節目を迎えた。

 今後は、平時と流行時に分けて感染症対策を講じていくことになるが、児童生徒の健康観察や換気の確保、手洗い等の手指衛生の指導は、引き続き重要であり、継続して行っていく必要がある。

 新型コロナウイルス感染症が5類へと移行されたとはいえ、感染症がなくなった訳ではないので、各学校においては、その時々の状況に応じた感染症対策を講じながら、学校教育活動の継続に努めていただくようお願いする。

▼GIGAスクール構想および道立学校における1人1台端末の活用

 学習指導要領では、情報活用能力が、学習の基盤となる資質・能力として位置付けられており、各学校においては、その育成を図るため、ICTを活用した学習活動の充実を図ることが求められている。

 また、国のGIGAスクール構想のもと、道内の全ての小・中学校、特別支援学校小・中学部において、1人1台端末環境が整備されるとともに、高校および特別支援学校高等部においても4年度入学生から、BYOD等による1人1台端末を活用した学びが実施された。各学校においては「ICT活用授業指針」に基づき、1人1台端末をはじめとしたICT機器やクラウドを効果的に活用し、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を進めていただくようお願いする。

▼生徒指導の充実

 昨年12月に「生徒指導提要」が改訂され、児童生徒の発達を支え成長を促す積極的な生徒指導の展開や、チーム学校としての組織的な対応が強く求められている。

 こうした中、道教委では、いじめ問題に一層の危機感を持って取り組むため、ことし3月に「北海道いじめ防止基本方針」を改定し、法に基づく積極的な認知「いじめ見逃しゼロ」や早期からの組織的な対応の徹底などを示した。

 各学校においては、校長のリーダーシップのもと、学校のマネジメント機能を強化し、学校いじめ対策組織を中心として対応するとともに、今般の改定内容を踏まえ「学校いじめ防止基本方針」を見直し、児童生徒や保護者等が学校の方針について理解を深められる機会を創出するなど、学校、家庭、地域が一体となったいじめ防止の取組を進めるようお願いする。

▼特別支援教育の充実

 特別支援教育に対する理解の深まりを背景に、特別な教育的支援を必要とする生徒の在籍する割合や、医療的ケアを受けながら学ぶ生徒も増加傾向にあるなど、多様化する教育的ニーズへの対応がますます求められている。

 校長の皆さんには、道教委が策定した「特別支援教育に関する基本方針」に示している特別支援学校におけるセンター的機能の充実や、高校における全ての教員が特別支援教育に関する理解や知識を深めるための体制の整備や研修の充実に努めていただくようお願いする。

▼不祥事の防止

 これまでも、教職員への指導を徹底するようお願いしてきたが、本道では、依然として、わいせつ行為など不祥事の発生が後を絶たず、学校教育に対する道民の信頼を損なう極めて憂慮すべき事態となっている。

 各学校においては、不祥事の防止に向け、職員会議などでの形式的な伝達にとどめることなく、管理職員が職員一人ひとりと向き合い、わいせつ行為や飲酒運転等の不祥事を絶対に起こすことのないよう、強いメッセージで心に響く指導をしていただくようお願いする。

▼学校における働き方改革

 本年度は、3年3月に策定した第2期「北海道アクション・プラン」の取組期間の最終年度に当たる。道教委では、調査業務の見直しやスクールロイヤーの活用など従来の取組に加え、さらなる業務の削減につなげるため、学校にお願いしている各種の事業や事務手続きのスクラップ・アンド・ビルドを進めるなど、皆さんの意見も伺いながら、取組を加速していく。

 働き方改革は、学校の教育目標の実現に向けて、人的・物的資源をどのように投入するかという学校マネジメントそのものであるという認識のもと、各校の実情に応じた取組を積極的に進めていただくようお願いする。

▼部活動の地域移行

部活動の地域移行については、ことし3月に「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」を策定し、公立中学校等の休日の部活動から段階的に地域移行することを基本として、7年度までの3年間において取組を重点的に行い、地域の実情等に応じて可能な限り早期の実現を目指すこととしている。

 高校や高等支援学校などにおいても、例えば、地域のスポーツ・文化芸術団体等と連携した活動や、中学校との合同練習、休日の部活動からの段階的な地域移行など、地域の実情等に応じた取組の検討をお願いする。

▼5年度全国高校総合体育大会

 ことし7月から8月にかけて、36年ぶりに本道で開催される北海道インターハイまで、いよいよあと74日となった。

 3年6月に北海道実行委員会を立ち上げて以来、これまで、安全・安心な大会運営に向けて、各学校や会場となる市町の実行委員会と連携を図りながら、準備を進めてきた。

 北海道総体を、大会に関わる全ての高校生が輝く大会にするとともに、本大会の開催が、地域の活性化や本道のスポーツ振興につながるよう、公立高校長および特別支援学校長の皆さんには、引き続き、力添えを賜るようお願いする。

▼終わりに

 道教委としては、学校と教育行政との連携をこれまで以上に深めながら、学ぶことの楽しさ、分かることのうれしさを実感できるよう、本道教育の発展に全力で取り組んでいきたいと考えている。

 校長の皆さんには、自らの学校が担うべき使命と役割を自覚し、校長としての責任と権限のもと、リーダーシップを存分に発揮し、本道の持続的発展に寄与する人材の育成に一層の尽力をいただくことを期待する。

(道・道教委 2023-05-12付)

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